危機管理対策特別委員会の質疑 令和2年10月07日(水)

○大和委員
新型コロナウイルス感染症対策に、日夜ご尽力いただいていることについて、関係者の皆様に敬意と感謝を申し上げる。
まずは、前回の特別委員会で質疑をさせていただいたその後の状況について伺いたい。保健所における業務負担軽減の取組の進捗状況についてだが、新型コロナウイルス感染症支援管理支援システム「HER-SYS(ハーシス)」は、前回の委員会ではこれから本格稼働をしていくという答弁だったが、現在どのような状況か。

●感染症危機管理室長
6月中旬から帰国者・接触者外来にアカウントを発行し、7月には準帰国者・接触者外来にも拡大した。9月末現在、対象の584医療機関のうち352機関(約6割)が利用可能である。県ではこのシステムに参加する医療機関を増やす必要があると認識しており、そのメリットについて改めて周知させていただくとともに、国が主催するシステムの利用に関するオンライン説明会への参加を呼びかけていきたいと考えている。

○大和委員
新聞等によれば、使い勝手が悪いという指摘があるようだが、現場の医療機関からはどのような声があり、それに対してどのような対応をしているか。

●感染症危機管理室長
入力項目が多く利用しづらいとの意見もあることから、国は必須項目を絞り、10月には簡易操作マニュアルを作成したところである。こうした変更点についても、周知に取り組んでまいりたい。

○大和委員
運用しながら色々な部分の課題を解決していくことが一番重要だと思う。現場を支援するためのシステムであることから、しっかりと現場の声を聞き、利用率が上がるよう、また、使い勝手が良くなるよう県として支援いただきたい。次に、保健所の支援体制について伺いたい。外国人が多く、感染者の多い伊勢崎保健所の応援体制について説明をいただきたい。

●健康福祉課長
業務が集中する保健所に対しては、全庁的な協力の下、保健師などの専門職や、クラスター対応要員として研修を受けた事務職員などを随時派遣し、応援に当たっている。特に、伊勢崎保健所には、8月に臨床検査技師1名を増員したほか、9月中旬からは専門職等3人1組の支援チームを1週間交替で派遣している。さらに、増員となった保健係を10月から2係体制とし、組織体制を強化した。今後も、臨機応変に対応していきたい。

○大和委員
前回の質問の際、臨床技術技師等が手薄だという答弁であったが、8月11日に補充したということで、現場の声に対応していただけたこと、感謝申し上げる。その他、保健所OBの活用について、進捗状況はどうか。

●健康福祉課長
即戦力となる県職員OBについては、現在までに保健師2名を採用し、近日中に臨床検査技師と県立病院看護師OB、1名ずつを採用予定である。今後、県OB以外の専門職の採用も進めて参りたい。

○大和委員
大変な状況の中、OBの活用について対応を進めていただいていることに感謝申し上げる。県庁OB以外にも間口を広くとっていただき、しっかりと応援体制の整備に尽力いただきたい。
次に、危機管理関係について2点ほど質問をさせていただきたい。
昨年の台風19号に伴い、利根川の伊勢崎玉村地区2.6キロの緊急嵩上げいただいたこと、感謝申し上げる。現場を視察したが、嵩上げした箇所の近隣の住民は大変感謝していると思う。また、ダムの事前放流についも、県内の7つのダムについてしっかりとやっていただいたこと、感謝申し上げる。そういった中で、地元で自主防災組織を立ち上げると、基本的には区長が責任者になって自主防災組織が編成されるが、2年あるいは4年で区長は交代する。行政区単位でぐんま地域防災アドバイザーを設置する取組についてどう考えるか。

●危機管理課長
県では、地域防災力の向上を図るため、地域の防災活動の中核となる人材の育成事業として、「ぐんま地域防災アドバイザー」の養成を行っている。現在591人いるが、県内の全自治会に配置するには不足している。引き続き、養成講座を通じて増員を進めると共に、今後、市町村と連携してアドバイザーの知名度を上げるとともに、行政区を意識した計画的な募集を働きかけていく。

○大和委員
ぐんま地域防災アドバイザー養成講座のノウハウも少しずつ蓄積されているという話も聞くので、市町村単位で行ってはどうかと思うがどうか。

●危機管理課長
研修事業を行うには、講師の教育実績や講座の受講者数など特定非営利活動法人日本防災士機構が設ける要件があることから、市町村の意向などを考慮しながら、今後、養成講座のあり方を含め検討をしていく。

○大和委員
大きな災害が発生した際、この地域防災アドバイザーの存在が活きてくると思うので、様々な課題を解決し、1人でも多くの方に務めていただければありがたいと思う。また、35市町村の中で地域防災アドバイザーがいない市町村があったかと思う。ぐんま地域防災アドバイザーのいない市町村がなくなるよう、すべての市町村に設置を働きかけていただきたい。最後に、リアルタイム水害リスク情報システム開発の進捗状況について伺いたい。このシステムが早く完成すればありがたいと思っているが、その進捗状況はどうか。

●河川課長
「リアルタイム水害リスク情報システム」は、気象庁が発表する降雨量の予測データを用い、数時間後に河川の水位がどれくらい上昇するか、また、浸水の恐れのあるエリアがどのくらい先にどのくらい広がるかということを予想するシステムである。これまでに一部の地域を対象とした試行的なシステムを作成し、その動作確認や予測精度の検証・改善を行っている。これと並行して全県域に拡張したシステムの開発を進めていくことで、令和4年度の運用開始を目指している。

○大和委員
水害リスクの高いところは令和4年度を待つまでもなく、取り入れていただければありがたいと思う。もう1点、先日上毛新聞の災害特集版に、小型で2キロ間隔で設置できる「POTEKA(ポテカ)」というのがあるということが記載されていた。県内に周知していただきたいと思うが、それについてどう考えるか。

●河川課長
「POTEKA(ポテカ)」は、雨量、気温等さまざまな気象情報をきめ細かく、容易に入手できるサービスと認識しており、減災対策協議会等を活用して周知してまいりたい。