令和4年 定例会文教警察常任委員会(警察本部関係)

令和4年第2回定例会文教警察常任委員会(警察本部関係)6月7日

◆大和勲 委員
可搬式速度違反自動取締装置について、導入状況も含めた取締状況について伺いたい。

◎荒船 交通部長
可搬式速度違反自動取締装置については、令和元年10月に初めて導入し、本年3月に1基追加整備し、現在2基で運用している。1基は交通取締りを専門で行っている交通機動隊が運用し、もう1基は各警察署の貸出用として運用している。これにより、県内の通学路や生活道路における取締りのほか、地域住民から要望があった場合に柔軟に対応できるようにしている。
取締りの実施状況は、令和3年中の実施回数は132回で、このうち通学路では、5割以上の68回、本年4月末現在は44回で、このうち通学路では7割以上の33回実施している。

◆大和勲 委員
地域住民から取締要望を受けた場合の県警察の対応について伺いたい。

◎荒船 交通部長
管轄する警察署の警察官が要望場所について、交通事故発生実態や具体的に危険を及ぼしている違反種別を調査し、どのような取締りが必要かについて検討している。そこで、仮に速度違反の取締りについて必要性を認めれば、道路環境等を勘案して、その場で違反車両に停止を求め検挙措置をとる定置式速度違反取締装置による取締りや、違反車両を撮影して後日警察署等に呼び出す可搬式速度違反自動取締装置による取締りについて検討することになる。
そのほか、例えば、通学路で指定された時間の通行が禁止されているにも関わらず通行する車両が多い場合や、一時停止標識が設置されている交差点で一時停止無視が多い場合など、様々な要望を受けることがあるが、いずれの場合も、地域住民の方々の不安を解消することができるように、必要な交通取締りを検討し、実施してまいりたい。

 

 

◆大和勲 委員
県警察が、全国のサイバーセキュリティコンテストで2位になったと報道されており、すばらしいことである。ますますSNS等を使った犯罪が増えていると思われるが、本年4月に新設されたサイバーセンターにおける人材育成が重要だと思われるが、どのように対応しているのか伺いたい。

◎小嶋 サイバーセンター長
「サイバーセキュリティコンテスト」は、警察庁が各都道府県警察のサイバー捜査に係わる職員を対象に、競技形式の実戦的演習により実施するコンテストで、平成28年からサイバー空間の脅威への対処に係る人的基盤の強化を図ることを目的に実施され、今年度も行われる予定になっている。県警察は、令和2年及び3年とも、2位に入賞し、警察本部長が出場職員を表彰して、士気高揚を図っている。
令和3年中に県警察で受理したサイバー関連相談は3,411件と過去10年で最も多く、10年前と比較して約3.1倍に増加しており、サイバー犯罪の手口も巧妙・複雑になっている。こうした変化に対応し、深刻化するサイバー空間の脅威に的確に対処するため、本年4月に群馬県警察サイバーセンターが新設された。県警察職員のサイバー事案対処能力を向上させることは、サイバーセンターの重要な役割の1つである。サイバーセンターを基軸として推進している人材育成の具体的な取組としては、まず県警察職員の能力レベルに応じた研修の実施として、警察官採用時の初任科生への学校教養、サイバー犯罪捜査に従事する捜査員への実戦的な研修、サイバー犯罪等対処能力検定の実施、警察大学校及び関東管区警察学校での中高度な研修への捜査員の派遣、高度な知見を有する民間企業や団体への派遣研修などを行っている。次に捜査技術の向上として、先進的な専門捜査力を有する都道府県警察との合同・共同捜査、関東管区警察局、警視庁への出向・派遣による人事交流、各警察署に対する積極的な捜査支援を行い、捜査技術・事案等対処能力の向上を図っている。
このような各種研修・教養をサイバーセンターが中核となり推進することにより、サイバー人材の裾野を広げることができるとともに、高度な知見を有する人材同士が切磋琢磨して、さらにその技術を高める効果が期待できると考えている。

 

 

 令和4年第3回定例会文教警察常任委員会(警察本部関係)10月3日

◆大和勲 委員
9月の補正予算についてお伺いしたいと思います。
説明がありましたとおり、道路標示の塗り替え、主に横断歩道ということで5,000万円の補正予算が計上されていますので、過去5年間の横断歩道の補修実績と箇所数について伺いたい。

◎荒船 交通部長
横断歩道は、運転者や歩行者が視認しやすい状態を維持することが、交通事故防止上重要であるので、消えかかっていて見えにくい横断歩道は、警察官による目視点検結果や地域住民からの要望等を警察本部で取りまとめ、必要な箇所の補修を行っている。
過去5年間における横断歩道の補修実績は、平成29年度は599か所、平成30年度は520か所、令和元年度は921か所、令和2年度が737か所、令和3年度が1,007か所となっている。

◆大和勲 委員
地域から一番要望されるのは、横断歩道の新設や塗り替えである。そのため9月補正に5,000万円を計上されたことは大変有り難い。
また過去の推移をみると、信号機の新設を少し減らして、塗り替え等の表示を充実していくとのことなので、補修の実績も概ね右肩上がりで、実際にそのように対応しているということに関しても感謝を申し上げる。
今回9月補正予算、5,000万円増額の要求をしているが、もう少し詳細についての説明をお願いしたい。

◎荒船 交通部長
9月補正で塗り替えの要求をしている5,000万円であるが、令和4年3月末現在、県下で約15,000か所の横断歩道が設置されており、警察で維持管理を行っている。道路標示の中でも特に横断歩道については、横断歩行者を危険にさらすことがないように、摩耗等により消えかかっている場合は早急に更新を行う必要があることから、今回要求をした。
概ね5,000万円で、単路に設置する標準的な横断歩道で約300か所の塗り替えができる計算となっている。

◆大和勲 委員
本年度の当初予算においては、横断歩道の塗り替えについて、概ねの金額と予定していた箇所数についても伺いたい。

◎荒船 交通部長
令和4年度の道路標示の当初予算額については、3億5,945万円で、その中で横断歩道の塗り替えは、標準的な横断歩道で約1,500か所分を予定している。補正等含めて全部で1,800か所施工の予定である。

◆大和勲 委員
答弁では、補正で300か所を含めて、1,800か所ということで、令和3年度が1,007か所だから、1.8倍となり大変有り難いと思うし、県民の安全安心を守るためにも大変有り難く重要なことだと思っている。
我々の要望とか、区長からの要望、住民からの要望もあると思うが、一生懸命当局はやっていると思うが、すぐに塗り替えができないこともある。もちろん要望の全てについて塗り替えが必要なものではないとは思うが、補修の手続きの流れについて伺いたい

◎荒船 交通部長
警察担当者が現地を確認し計測等の調査を行って、その場所に適した横断歩道の設計をしている。その後これらを集約し、業者に発注して補修が行われるが、発注時期については、以前は2回であったところ、平成29年度からは、年4回に増やして、迅速かつ柔軟に対応している。発注回数を増やしたとはいえ、限られた予算を有効活用してより多くの場所に対応できるように、工事の契約は入札を経ることを原則としており、これにより時間を要する場合もある。
要望箇所の中には、摩耗の進み具合や通学路、高齢者施設の周辺など、交通弱者の利用頻度の高い場所等で、緊急性を有する場所については、入札によらずに早期に工事完了できるよう臨機応変な対応を行っている。

◆大和勲 委員
年2回の発注を、平成29年度から4回に変更したということで、迅速な対応ができるよう当局も工夫していることに大変感謝している。
横断歩道の補修は住民に見えるところなので、我々も要望されたことを伝えていき、それが補修として目に映ることが信頼関係として大切だと思うので、ぜひお願いしたい。
交通部長から話があったが、どうしても近隣の状況で、緊急的にやらなくてはいけないということもあるので、イレギュラーで他が早かったということもあると思う。しかしプロの目から見て、緊急性が高いところからやっているので、それを我々も認識しながら、要望のあった区長や住民にも話をしたいと思う。

 

◆大和勲 委員
7月の県外視察において、青森県警で全方位カメラのパトロールカーへの搭載・運用状況について勉強させてもらった。いち早く現場の雰囲気や状況を把握することの重要性が分かった。いろいろなシステムがある中で、どの仕組みが本県に一番適しているかを考えながら、導入を図るべきだろうと思った。
全国の警察で、110番通報の映像受信を試行的に行うようになったが、経緯とシステムの内容について伺いたい。

◎室岡 地域部長
110番映像通報システムは、110番通報の通報者にスマートフォン又はタブレット端末を用いて、事件事故等の初動対応に必要な映像等の送信を求めることを可能とするシステムである。
導入の経緯は、110番通報を受理した際に通報者から映像等を送信してもらうことで、現場の情報を収集することが可能となり、事情聴取に伴う110番通報者等の負担軽減やより迅速かつ的確な初動対応を図ることを目的に警察庁が整備したもので、10月1日から本県を含む全国警察で試行運用を開始している。
システムの概要は、110番通報を受理した通信指令室の担当者が映像等の取得が必要と判断した場合、通報者の安全が確保されていることを確認した上で、通報者の同意を得て、スマートフォン等に専用URL付きのショートメールを送信する。通報者はそのURLにアクセスし、担当者が表示するアクセスコードを入力して、撮影した映像等を送信してもらうことになる。送信された映像等は通信指令室で確認できるほか、現場に向かう警察官に送信することも可能となる。
なお、本システムの利用に当たっては、映像等に係る著作権を放棄してもらうこと、GPS機能を用いて通報者の位置情報を取得すること、第三者のプライバシーを不当に侵害しないように撮影すること、データ通信料は通報者の負担になることの4点について、通報者に同意してもらう必要がある。URLとは、ウェブサイトの場所を表す文字列のことで、インターネット上の住所のようなものである。

◆大和勲 委員
導入するとどのような効果が期待できるか改めて伺いたい。

◎室岡 地域部長
本システムを活用することで、音声のみでは捉えにくい事件・事故の状況を視覚的に把握することが可能となり、現場に向かう警察官への注意喚起や必要な装備資機材等を具体的に指示できるほか、事前の情報収集により現場での事情聴取に伴う通報者の負担軽減が図れる。例えば、映像による災害現場の状況把握や複数台の車両が絡む多重事故の状況把握、逃走被疑者や行方不明者の迅速な画像手配などに効果が発揮されると考えている。
県警察としては、通報者の安全に十分留意した上で本システムを効果的に運用し、これまで以上に迅速かつ的確な初動警察活動を推進していきたい。

◆大和勲 委員
映像で送ることで状況が分かるし警察官もいろいろな準備ができる。また、なかなか経験しない事故や犯罪では、言葉で表すのは難しい部分があるので、画像で把握できるのは大変素晴らしいと思っている。試行しながら、どのような課題があるか研究してもらいたい。
本県での利用実績はあるのか。

◎室岡 地域部長
今のところ重大事案の発生もなく利用実績はない。

 

◆大和勲 委員
本県も外国人が60,000人以上活躍している地域であり、伊勢崎市においては13,500人くらいいる。例えば農業で外国人を採用している雇用主からは、免許がないとできる仕事が限られてしまうという意見もある。外国人の自動車免許の取得についての現状を伺いたい。

◎須田 運転免許統括官
本県は外国人が他県に比べて比率が高いという状況であり、運転免許試験を受ける方等も多い現状である。
当県警としては、受験者の希望に添った親切丁寧な対応として、学科試験の多言語化を推進しており、現在、英語、ポルトガル語、ベトナム語の3か国語の試験問題を用意している。試験においても書類の審査を徹底し、免許の不正取得防止に配意している。

◆大和勲 委員
群馬県の外国人を地域名別でみるとブラジル12,000人、ベトナム11,000人、フィリピン8,000人ということで、大部分の方は対応ができているので、大変有り難い。群馬県では少ない地域の方への対応についても研究してもらえると有り難い。
国際運転免許証等を他国で免許を取得して、日本でそれを使って乗っていたが、期限が切れてしまった場合はどうなるのか伺いたい。

◎須田 運転免許統括官
国際運転免許証の有効期限は発給日から1年、又は日本に入国してから1年までという規定になっていて、日本にいる間に切れてしまうという人もいる。
有効期間満了後も車を運転する場合には、自国で有効な運転免許証を持っている場合は、日本の運転免許に切替えができる制度がある。交通ルールに関する知識の確認、技能の確認、さらには適性試験を実施している。知識の確認については、10か国語の問題を用意するなどの配慮をしている。

 

 

令和4年第3回定例会文教警察常任委員会(警察本部関係)12月6日

◆大和勲 委員
群馬県暴力団排除条例の一部改正について、現状の暴力団の情勢について伺いたい。

◎神保 刑事部長
県内の暴力団情勢は年々減少傾向にある。令和3年末における県内の情勢は、総数510人である。過去10年間における暴力団情勢の推移については、平成24年は1090人、平成29年は560人と約半数にまで減少している。以降の減少数は鈍化傾向にある。
また、令和3年末における本県の主要団体の構成員等の内訳は、稲川会と松葉会の構成員等で全体の約7割を占めている。これに六代目山口組、神戸山口組、絆會及び住吉会を加えた6団体で、全体の9割以上を占めている状況である。

◆大和勲 委員
減少傾向が鈍化しているということで、犯罪手口も巧妙化している部分もあると思うが、1人でも少なくなるように配慮をお願いしたい。
改正の概要について改めて伺いたい

◎神保 刑事部長
改正の概要については、お手元の補助説明資料3ページの資料3(2)に記されているとおり、ア~キまで大きく7項目について、新設、拡大等の改正を予定している。そのうち、特に大きな特徴について2点説明したい。
1点目は、項目ウの暴力団事務所の開設等の禁止区域の拡大である。現行条例では、学校や児童福祉施設、図書館、博物館、公民館、家庭裁判所等の保護対象施設の周囲200メートル区域で暴力団事務所の開設、運営を禁止しているが、今回の改正ではこれに加えて、都市公園法第2条に基づく、都市公園を追加した。今までの保護対象施設を基準とした点での規制に加えて、都市計画法第8条に規定する住居系用途地域や商業系用途地域、工業系用途地域の範囲を指定して、暴力団事務所の開設運営を禁止する面での規制を追加するものである。
2点目は、項目オの暴力団排除特別強化地域の新設である。暴力団の影響を受けやすい繁華街地域を暴力団排除特別地域に選定し、その地域の中での特定営業者の禁止行為や暴力団の禁止行為を定めたものである。指定された特別強化地域内で暴力団員又は暴力団員が指定した者が風俗営業や飲食店営業等を営む特定業者に対して、用心棒の役務の提供を禁止することに加えて、特定営業者側にも暴力団員又は暴力団員が指定した者に対して、みかじめ料や用心棒料を支払う行為を禁止する規定を設けて、これらに違反した者には直罰を科すと定めたものとなる。

◆大和勲 委員
暴力団排除特別強化地域の新設について、具体的にはどこになっているのか伺いたい。

◎神保 刑事部長
特別強化地域は、県内有数の繁華街である高崎市、前橋市、伊勢崎市、太田市を選定している。高崎市は、新紺屋町、中紺屋町、柳川町のうち主要地方道あら町下室田線から東側の地域、寄合町である。前橋市は、千代田町四丁目、五丁目、伊勢崎市は本町である。太田市は、飯田町の一部、いわゆる南一番街である。
これらの地域を選定した理由は、飲酒や異性による接待等を伴う営業に係る飲食店や風俗店等が特に密集する繁華街であることや過去にそれら店舗を経営する営業者が暴力団員等との間で、利益提供を受けたり、供与の実態があった地域を考慮して選定したものである。

◆大和勲 委員
商業施設の郊外への出店など新しくエリアも広がっている。また、4市以外にも繁華街があると思うが、特別強化地域は地域住民から要望があれば、対応ができるのか伺いたい。

◎神保 刑事部長
今回の条例改正では、先ほど申し上げた地域を選定しているが、地域住民の意見や要望、暴力団情勢を見極めて、必要性や妥当性などを検討した上で、必要性が認められれば条例改正を行うなど、柔軟な対応を図っていきたいと考えている。

◆大和勲 委員
住民が、そこでの生活を一番分かっていると思うので、柔軟に対応してもらいたい。
また、今回の改正条例の効果について伺いたい

◎神保 刑事部長
条例改正の効果は、暴力団事務所の禁止区域が拡大することによる県民生活の平穏の確保、青少年の暴力団事務所への立入りを禁止することによる青少年の健全育成、暴力団排除特別強化地域における特定営業者や暴力団員の禁止行為を定めることによる、事業者と暴力団員との関係遮断や暴力団の資金減のはく奪など、大きな打撃を与える効果があると考えている。
中でも今回の条例改正で新設される「特定営業者による禁止行為」は、暴力団との関係性を遮断する抑止効果が一層期待できるとともに、改正点の中には自主的に申告した者に対する減免規定を盛り込んでいる。この規定により、潜在化しているみかじめ料等の暴力団の利益供与について、事業者による積極的な申告を後押しする効果が期待される。また、暴力団との付き合いを断りたくてもできない事業者にとっても、条例が大きな後ろ盾になるのではないかと考えている。

◆大和勲 委員
条例改正の施行日と周知方法について伺いたい。

◎神保 刑事部長
改正条例の施行日は、約3か月の周知期間を経た令和5年4月1日を予定している。
県民等に対する周知は、本条例が、県民や特定営業者に義務を課す内容を含んでいるので、関係機関と連携を図るとともに公益財団法人群馬県暴力追放センターが行う責任者講習等あらゆる機会や県警のホームページ等広報媒体を通じて、条例の浸透を図る予定である。

◆大和勲 委員
暴力団対策資料の令和4年度版はイラスト付きで大変分かりやすい。紙媒体とホームページ等を活用して周知してもらえれば有り難い。

 

◆大和勲 委員
外国人総合対策室新設の経緯について伺いたい。

◎浦野 外国人総合対策参事官
県警察における外国人関連業務については、令和2年度までは、多文化共生施策や通訳関係業務等を警務部教養課が所掌し、外国人犯罪等に対する実態解明や捜査支援等を刑事部組織犯罪対策課が所掌していた。
しかし、近年、県内における外国人材の受入れ拡大、また、外国人観光客の誘致等により、外国人住民等が増加傾向にある中、外国人住民が犯罪被害者となる事案の増加、外国人コミュニティへの犯罪組織等の浸透が懸念される状況にあることから、令和3年度に組織犯罪対策課内に関連業務と人員をプロジェクトとして統合・配置し、来日外国人等総合対策室として運用していた。
県警察では、さらに体制を強化し部門の垣根を越えた一体的かつ総合的な対策を推進するため、今年度の組織改正において、刑事部に外国人総合対策参事官を新設するとともに、刑事部組織犯罪対策課に外国人総合対策室を新たに設置した。

◆大和勲 委員
外国人総合対策室の業務概要について伺いたい。

◎浦野 外国人総合対策参事官
今年度の組織改正に伴い、県警察では、県内における外国人住民等の安全・安心の確保を基本理念とする「群馬県警察外国人総合対策推進要綱」を制定した。この要綱において、多文化共生施策、実態の把握、厳正な取締り等の推進を取組方針の三本柱として、組織を挙げて取り組んでいる。推進体制として、対策室が事務局となり、警察本部長を長とする外国人総合対策推進委員会、その下に幹事会、プロジェクトチームを設置して、各部門における課題の検討、具体的施策の立案、情報共有を行うなど、各部門一体的な取組を推進している。
また、対策室では、推進要綱に基づいて、外国人への犯罪被害防止、外国人コミュニティへの安全対策等を図るための多文化共生施策の推進、外国人情勢等の実態把握や外国人犯罪に関する捜査支援等について、関係部門、警察署と緊密に連携した取組を行っている。
その他、外国語通訳の運用や、国際人材の育成等の業務を行っている。

◆大和勲 委員
外国人総合対策推進委員会について伺いたい。

◎浦野 外国人総合対策参事官
プロジェクトチームとして各部門の課長補佐等が集まり、各部門の問題点や課題等を検討して、所属長等で構成する幹事会に上げ、幹事会において検討を行い、本部長、各部長で構成する推進委員会でさらに検討を加えて、施策の立案等を行っている。

◆大和勲 委員
主な取組内容について伺いたい。

◎浦野 外国人総合対策参事官
多文化共生施策の推進に関しては、外国人コミュニティや外国人が稼動する企業、留学生のいる日本語専門学校等において、防犯、交通安全、防災等の講話を各警察署等と連携して行っている。
その他、外国人学校における県警音楽隊のミニコンサートの実施や、外国人住民との共同作業による薬物乱用防止啓発動画を作成し、ユーチューブで配信するなど、広報啓発活動を行っている。
また本年4月から新たに外国人住民に関する情報発信手段として、多くの外国人が利用しているフェイスブックに、群馬県警察公式フェイスブックを開設して、現在国が推奨するやさしい日本語を用いた安全情報等について、タイムリーな情報発信に努めている。
なお、各多文化共生施策を通じて、外国人住民に対して日本の法律やルール等に関する周知も積極的に行い、規範意識の向上にも努めている。
一方、県内における外国人犯罪の特徴は、同国人グループによる大麻栽培、自動車窃盗事件など、主に同国人同士がグループ化して犯罪を行う傾向にある。また、本年は外国人による殺人事件、金銭トラブルに起因する監禁事案等も発生しており、事件主管課とともに、事件検挙に向けた捜査を行っている。不良外国人や、外国人犯罪グループに対する実態解明の徹底を図って、違法行為に関しては、日本人と同様厳正な取締り等を推進している。

◆大和勲 委員
設置の効果について伺いたい。

◎浦野 外国人総合対策参事官
関係部門がそれぞれ所管していた外国人関連業務を、外国人総合対策室に集約・一体化したことで、本部各部門及び警察署が緊密に連携して、多種多様かつ積極的な多文化共生施策が推進されている。
また、各部門における課題や関連情報が一元的に集約・分析・還元することで、外国人住民等の安全・安心を確保するための効果的な各種警察活動が展開されている。犯罪グループに関する情報共有も図られ、捜査の初期段階から、本部各部門と警察署が連携の上、厳正な取締りが図られている。
県警察における外国人総合対策については、今後も社会の情勢等の変化を的確に捉えながら、中長期的な観点から継続的かつ効果的な対策を推進していきたい。

◆大和勲 委員
防犯、交通安全や防災に関して、外国人をサポートする方を育成してもらえると心強い。総合対策室ができたので、群馬県で活躍する外国人に防犯、交通安全や防災のサポーターを育成して、警察とこの人たちが連携して、いろいろな活動を周知、広報していくことが重要だと思っている

 

 

令和5年第1回定例会文教警察常任委員会(警察本部関係)3月2日

◆大和勲 委員
強盗等の凶悪事件の被害に遭わないための防犯対策について伺いたい。

◎金井 生活安全部長
警察が行う防犯対策については、近年は安全安心の確保という表現に変えて、対策をお願いしている。安全はハード面、安心はソフト面と整理して説明したい。
ハード面は、施錠など防犯設備のことで、夜間外出時はもちろん、日中の在宅中でも玄関などに鍵をかける。防犯カメラやセンサーライト等の設置や鳴き砂利を敷くこと等で防犯効果が高まる。また、多額の現金を置かないことも重要である。
ソフト面は、確認や点検など行動や意識のことであり、来訪者に対応する際にはドアチェーンやインターホン越しに対応し、安全をよく確認してから、ロックを開ける。平素から自宅周辺の状況に注意を払い、見慣れない人や車がいたら気づけるようにしておき、不審を感じたら、遠慮なく警察に通報する。アンケートを装うなどして、家族構成や資産を質問してくる電話などには答えない。個人情報や行動を推測されるようなことをSNS上にアップしないことも大切なことである。
これらのことを、様々な機会を通じて情報提供し、自主防犯意識を高めてもらう。
警察としては、事案が発生した際には警戒活動をしているが、小学校周辺や通学路などを、団体と協力しながら見せる活動により安心感を与えることも必要だと考えている。

◆大和勲 委員
まずは自主防犯が一番大切だと思っているので、いろいろと情報提供してもらいたい。
凶悪事件が発生したときには、地域の住民に早く情報提供することが重要だと思うが、どのような手法を取っているのか伺いたい

◎金井 生活安全部長
事件発生時には、情報提供として安全・安心メールを発信したり、自治体のメールや防災無線を通じて、事案の概要や防犯対策について情報提供を行うこととしている。警戒活動としては、制服の警察官、パトカーや白バイなどで現場周辺をパトロールしたり、通学路を警戒したりするなど、警察官の姿を見せることで安心感を与える取組をしている。

◆大和勲 委員
上州くん安全・安心メールや防災無線を使って情報提供しているとのことなので、今後も徹底してもらえると有り難い。また、伊勢崎市の事件の関係でも、地元から要望があれば周辺のパトロール等をしていただければ有り難い。
上州くん安全・安心メールの登録者数の推移はどのようになっているか。

◎金井 生活安全部長
上州くん安全・安心メールの登録状況は、昨年の12月末時点で57,041件である。前年が 55,837件、その前年が53,385件で、少しずつではあるが増えている。情報が得られるメリットもあるので、多くの県民にインストールしてもらえるよう広報活動も引き続き行いたい。