決算特別委員会総括質疑の議事録

◎総括質疑

○中沢委員長

これより総括質疑に入ります。発言順序及び発言時間は、お手元で御覧の次第のとおりであります。

質疑は、一問一答方式により、通告のある項目について行います。

また、あらかじめ申し上げますが、本日は、令和3年度決算の審査ですので、これに関わる質疑をお願いいたします。

なお、質疑及び答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。

初めに、大和勲委員、質問者席へお願いします。

 

○大和委員

皆さん、おはようございます。自由民主党、今年度政調会長を務めます伊勢崎市選出の大和勲でございます。

本日の総括質疑は、私と穂積県議団長で、おおむね52分ずつ受持ちをしたいと思っております。また、私のほうからは、決算に伴う数値関係、また企業局の決算、それと、ぐんま緑の県民税についてお伺いをしたいと思います。また、穂積県議団長からは、主要事業について、また、令和5年度にかけてそれをどう解決していくか、また、課題について質疑をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、総務部長、お願いいたします。

それでは1項目め、令和3年度の取組実績についてお伺いしたいと思います。

令和3年度も、コロナ対策に重きを置いた1年となりました。また、迅速な予算措置に向けて、追加補正予算が19回提出されたことは、スピード感を持って県執行部、県議会が取り組んだ証明であります。

そこで、令和3年度取組の実績について、当初予算の重点施策に沿って御説明をよろしくお願いいたします。

  • 堀越総務部長

決算委員会の最初の御質問に財政運営のことを取り上げていただきまして、ありがとうございます。

令和3年度は、当初予算に加えまして、先ほど議員からお話がありましたように、数えてみますと、19回にわたって補正予算を編成いたしました。それによりまして、最優先課題である新型コロナウイルス感染症の対策、それから新・群馬県総合計画のビジョンで描きました20年後の未来を実現するための事業、こういったことに全庁を挙げて取り組んだということであります。その結果、一般会計の決算額を見ますと、歳入歳出ともに過去最大の規模となりました。

主な取組の実績につきまして、令和3年度の当初予算で掲げました重点施策に沿って御説明をさせていただきます。

まず、重点施策の1つ目、「コロナとの長期戦を戦い抜く」でございますけれども、病床ひっ迫によります医療提供体制の崩壊を防ぐために、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる専用病床の確保に取り組みました。それから、東毛、県央の2か所に県営の大規模ワクチンセンターを開設いたしまして、ワクチン接種を全国トップクラスのスピードで進めることができました。それから、経済活動への支援では、新型コロナウイルス感染症対応資金という貸付金を継続いたしまして、事業者の資金繰りを支援するとともに、愛郷ぐんまプロジェクトを実施しまして、コロナ禍で落ち込んだ観光需要を喚起することができました。

続きまして、重点施策の2つ目、「ニューノーマルの早期実現」についてであります。行政のDX化ということで、ワクチンの接種記録をスマートフォンに表示するぐんまワクチン手帳、これを全国で最も早く、なおかつ、少ない予算額で導入することができました。それから、引き続き、災害レジリエンス№1の実現に向けまして、防災・減災対策も推進いたしました。

それから、続いて重点施策の3つ目は、「100年続く自立した群馬の実現」ということです。県庁32階にあります官民競争スペースNETSUGENにおきまして、県内産業のDXの推進ですとか、スタートアップ企業の支援、それからイノベーションの人材育成、あるいは地域課題の解決などなど、様々な事業を実施いたしました。また、新しい時代を切り開く始動人を育成するために、県立高校においてSTEAM教育を推進いたしました。

それから、重点施策の4つ目は、「新たな富や価値の創出」でございます。こちらでは、ぐんまちゃんを世界中で認知されるような人気キャラクターに成長させるということのために、アニメをテレビで放送するとともに、全国的なプロモーションを行いました。それから、中長期的な視点に立ちまして、群馬のクリエイティブ拠点化を推進するために、小中高校児童生徒向けに、デジタルクリエイティブ人材育成拠点tsukurunを開設いたしました。

以上、令和3年度に実施した事業について、ごく一例でありますけれども、御紹介をさせていただきました。

これらを含めまして、当面の課題への対応ですとか、それから未来に向けた対応など、幅広い政策課題に取り組むことができた1年だったなと考えております。引き続き、コロナ対策、最優先に取り組むというのはもちろんですけれども、総合計画で描いた未来の実現に向けまして、着実に施策を推進できるような財政運営に引き続き努めていきたいと考えております。

○大和委員

総務部長、ありがとうございました。様々な事業を展開していただいて、この時間の中ではもちろん語り尽くせないというような内容だったと思いますけど、私は、昨年度を振り返りまして、一番印象に残っていることは、愛郷ぐんまプロジェクト第3弾と、それに伴って、ワクチンパスポートという名称でありましたけども、これが本会議でいろいろな御質問があった。私が聞いていて、これはしっかりと、やはり慎重に審議したほうがいいなということで、自民党の中の産経土木部会を開いたところ、今は安中市長になっています岩井さんのほうから、連合審査という手があるから、それを検討してみたらどうかということで、我々の産経土木部会、総務企画部会、それと健康福祉部会、3部会で連合審査を行って、しっかりと審査を行った。

その結果、制度設計につきましても、しっかりと見直しをしていただいた。また、ワクチンパスポートがワクチン手帳に名称変更した。これは、しっかりと県がスピード感を持ってやっていこうという中で、我々も県民の皆さんの意見を聞きながら、不平等感がないように、そして、しっかりとまた事業者が応援できるように、これ、県執行部と県議会が一緒になって取り組めたいい事例じゃないかなと思っていまして、私は個人的にも非常に印象深い出来事でありました。

このようなことをこれからまた、今年も残りありますので、しっかりと執行部また県議会、タッグを組んで、県民のために取り組んでいきたいなと改めて思ったところであります。

この質問につきましては、以上で終わりにしたいと思います。

続きまして、2項目め、県税収入についてお伺いしたいと思います。

令和3年度の県税収入に関しては、昨年の決算総括質疑で、我が党の川野辺県議からの県税収入の見込みに関しての質疑に対して、令和2年度当初予算を120億円下回る2,345億円で計上していたが、当初予算は確保できるとの答弁でありました。11月29日、私の同様な一般質問に対しての答弁では、令和2年度の2,446億円を上回るものと考えているという答弁がありました。結果的には、決算書にあるように2,621億円となりまして、当初予算額を大きく上回りました。

そこで、(1)県税収入決算の評価についてお伺いしたいと思います。具体的には、上回った理由と併せて、構成比が高い個人の県民税の徴収対策とその実績についてお伺いしたいと思います。

  • 堀越総務部長

令和3年度の県税収入額ですけれども、今、議員から御指摘のありましたとおり、当初予算額を

276億7,000万円上回りまして、最終的には2,621億7,000万円を確保することができました。この金額は、振り返ってみますと、リーマンショック前の平成19年度が過去最高だったのですけれども、これに次ぐ過去2番目の税収規模となりました。

当初予算を編成した時点におきましては、全国的に新型コロナウイルス感染症の影響によって、相当な減収が心配されておりました。そのため、国から示されます地方自治体の予算編成の目安であります地方財政計画も参考にしまして、群馬県においても、前年度当初予算比ではマイナス4.9%となる2,345億円ということで、当初予算では計上いたしました。

しかしながら、その後、デジタル化の影響による電子部品の需要の高まりですとか、いわゆる巣籠もり需要などの消費も堅調であったということがありまして、法人の事業税、それから地方消費税を中心に当初予算額を大きく上回る見込みとなりました。そのため、2回にわたりまして増額の補正予算を行いまして、最終予算額を2,610億円というふうにしておりました。

その後、さらに法人の事業税ですとか、個人の県民税が増加したこと、それから、最終的には、税務職員の徴収努力というのもございまして、最終予算額を11億7,000万上回る、先ほど申し上げた2,621億7,000万円を確保することができました。この場をお借りしまして、納税をいただきました全ての県民の皆様、それから全ての企業、事業者の皆様に感謝申し上げたいと思います。

それから、2つ目に御質問いただいた個人の県民税についてでございます。

個人の県民税は、県税収入額の中では約3割を占めておりまして、実際に賦課徴収を行っているのは市町村になります。なので、こことの連携というのが大変重要であります。

その取組の1つとしまして、給与所得者の個人の住民税を、事業主の方が給与から差し引いて納めていただくという特別徴収制度というのがございます。これまで県と全部の市町村で連携して、この徹底を図ってまいりました。その結果、令和3年度のこの特別徴収制度利用の割合が、5年前であります平成28年度と比べまして、約13ポイント上がって86.9%となっておりまして、これが非常に収入未済額の縮減につながっているなと思っております。

これに加えまして、県職員を市町村に派遣いたしまして、滞納事案の検討を一緒に行ったり、あるいは進行管理など、市町村と連携した歳入確保の取組というのを継続して行っております。

それに加えまして、市町村職員の方を逆に県の行政県税事務所に受け入れまして、長期ですとか、短期の実務研修などもやるなど、市町村のニーズに応じた人材育成にも取り組んでおります。ちなみに、大和議員の地元の伊勢崎市からも、令和3年、令和4年と短期の研修に派遣をいただいているところであります。

こうした取組によりまして、令和3年度の収入未済額、いわゆる滞納額ですけれども、個人の県民税におきまして、前年から2億9,000万円縮減されまして、これによって県税全体では、11億8,000万円の収入未済額の縮減という成果にもつながっております。個人の県民税については、今後も市町村と連携して、歳入確保をしっかり図ってまいりたいと考えております。

○大和委員

総務部長、ありがとうございました。一番大切な収入源である説明をじっくりしていただいて、大変ありがとうございました。

まず、平成19年に続いて過去2番目となる2,621億7,000万だったということ、それと、その要因としては、法人事業税のほうが、K字回復というのでしょうか、いいところもあったし、厳しいところもあったけれども、いいところからしっかり納めていただいたということであります。

それと、個人の県民税については、私、これ、一番大切だなといつも思っておりますけども、しっかりと公平性も確保するためには、徴収できる方からはしていくということでありまして、まずもって特別徴収率が、平成28年と比べて13ポイント高い約87%だったということで、非常にこの一斉徴収の効果が出てきているなと改めて思いました。

それと、もう一度、もう1点御説明ありましたけども、やはり市町村の方が市県民税を徴収していますので、その方の研修をするという話でありました。伊勢崎からも令和3年、令和4年ということで話がありましたけれども、私も税務課の方とお話をしたときに、伊勢崎についてそんなお話もいただいたので、市議会の一般質問でも、知り合いの方にそういった質問もしていただいて、しっかり市、また県が連動して、県民税の徴収ができるような部分も、我々も働きかけていかないといけないなと思ったところであります。

そういった中で、(2)に移りたいと思っておりますけれども、令和4年度の県税収入の見込みについてお伺いしたいと思います。

本年度も、既に7か月が過ぎようとしております。ウクライナ情勢の長期化、円安、物価高騰など、多くの課題が山積している中、今年度の県税収入の見込みについてお伺いしたいと思います。

  • 堀越総務部長

令和4年度当初予算額といたしましては、先ほど申し上げました令和3年度の決算額に近い2,580億円を予算計上しております。

これまで約7か月の実績を振り返ってみますと、令和3年度に引き続きまして、全ての業種ではありませんけれども、一部の製造業などで業績が好調な法人があるということもありまして、おおむね順調に推移しているという状況でございます。

しかしながら、今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染の拡大がどうなるか、それから、当初予算編成後の動きとしますと、原油価格ですとか物価の高騰、あるいは為替・株価の変動などの影響、こういったことがありまして、経済の先行きに不透明な部分があるというのが現実であります。しかしながら、現時点で推計しますと、令和4年度、今年度に限って言うと、当初予算額は確保できるのではないかと考えております。

引き続き、適正・公平な賦課徴収というのを念頭に置きまして、納税者の皆様が納得の上、納税していただける環境を整えるということはもちろん大事ですけれども、市町村とも連携を図りながら、税務職員一丸となって、県税収入の確保、それから収入未済額の縮減に努めていきたいと考えております。

○大和委員

ありがとうございました。おおむね当初予算の2,580億円、何とか達成できるんじゃないかということでありますけれども、不透明な情勢が続いておりますので、しっかりと国と連携して、いろいろな補正予算がありましたら、我々も執行部の提案に対してしっかりと対応していきたいと思っていますし、しっかりと税収の確保ができるように我々も努めていきたいと思っているところであります。

そうしましたら、次に3項目めに移りたいと思っております。

次に3項目め、県債残高の状況についてお伺いをしていきたいと思います。

こちらに、パネルにしましたけれども、県債残高、令和3年度1兆3,142億円ということで、前年に比べて71億円増加をしました。

しかしながら、一方で、交付税算入されるという臨財債を除いた県債残高は7,383億円、前年と比べて58億円低減できたということでありますので、群馬県の県債残高の状況について、評価のことを総務部長にお伺いしたいと思います。

  • 堀越総務部長

一般会計における令和3年度末の県債の借入残高は、今、議員からお話もありましたとおり、1兆3,142億円ということで、去年と比べると71億円の増加になっております。

しかしながら、このうち実質的な交付税であります臨時財政対策債、これを除いた県債残高については7,383億円ということで、これも先ほど委員からお話のありましたように、去年と比べますと

58億円減少しているという状況です。この原因というのは、令和3年度については、退職手当債ですとか行政改革推進債、こういう、できればあまり借入れをしたくない財源対策的な県債の新規の借入れというのを、何とかしないで財政運営ができたということが大きな理由かと思っております。

財政健全化法に基づきまして、健全化判断比率というのが幾つかございまして、そのうち県債に関するものというのが2つございます。

そのうち、県債などの残高に関する指標としまして、将来負担比率というのがございますけれども、これが146.2%となりました。これは前年度が166.6%でしたので、20.4ポイント改善して、全国順位も前年の16位から14位に上昇いたしました。よくなりました。これは、県債発行を抑制したことに加えまして、県債の償還に充当ができる基金残高が増加したことなどが原因となっております。

それからもう1つ、県債の元利償還金、つまり返済額の大きさに関する指標であります実質公債費比率という比率がございます。こちらは9.4%ということで、こちらも前年度の10.0%から0.6ポイント改善しまして、全国順位も前年の19位から15位によくなりました。

このように、令和3年度決算では、どちらの指標も前年よりも改善するという結果になったなと思っております。

県債ですけれども、県民生活に直結する防災対策ですとか減災対策、こういった社会基盤を整備する投資的経費には不可欠な財源であります。しかしながら、これ、残高が増え過ぎてしまいますと、将来、県債の償還、返済に予算が割かれてしまって、その分、政策的な事業に使える財源が減ってしまうという心配もあります。

今後とも、後年度に過度な負担が生じることのないように、バランスの取れた持続可能な財政運営に努めていきたいと考えております。

○大和委員

ありがとうございました。県債残高につきましても、前年と比べて評価基準の2つの指標がよくなったということでありますので、これは誠によかったなと思っておりますので、引き続き、後年度負担がないような取組をよろしくお願いしたいと思います。

続きまして4番、財政調整基金の状況についてお伺いをしていきたいと思います。

こちらにつきましても、パネルで表示をさせていただきました。令和3年度が、財政調整基金の残高が506億円ということで、前年に比べて322億円増えましたということで、大変すばらしい数字になったなと思っているわけでありますが、一方で、このうちの209億円は、交付税の減額精算分ということでなっているようでございます。そうすると、実質がこちらの300のちょっと下を下回ります297億円ということで、前年と比べると、実質は113億円のプラスというふうになっていますので、この財政調整基金についての状況についてどのような評価をしているか、御説明いただければと思います。

  • 堀越総務部長

大規模な災害があったり、あるいは急に税収が減ってしまったということに備えるために、財政調整基金の積立ての残高として一定額を確保しておくということは、安定的な財政運営のために不可欠であると思っております。

令和3年度決算における年度末の財政調整基金の残高は、今、大和議員から御紹介もいただきましたけれども、県税収入の増加ですとか、交付税の増額に加えまして、国からの交付金の有効活用ですとか事業の見直し、こういった財政運営によって、令和2年度末の残高184億円と比べると、322億円増額して、506億円となっております。

しかしながら、この506億円のうち209億円につきましては、今、議員からもまた御紹介いただきましたけども、令和4年度以降の交付税の減額精算分という形で、既に使い道が決まっているというものもあります。これを除いた残高ですけれども、297億円を確保できたということかと思います。

全国比較のために、標準財政規模に対する基金残高の割合というのを見てみますと、群馬県の場合には10.85%となっております。現時点では、全国、ほかの都道府県の状況が詳細に分からないために、暫定順位になりますけれども、全国順位を見ると、残高が少ないほうから19位ぐらい前後というふうになっております。これは、令和元年度がワースト5位、下から5番目、それから令和2年度がワースト8位、下から8番目だったことに比べますと、改善したというふうに言えると思います。

しかしながら、この標準財政規模に対する基金の残高ですけども、全国平均を見ますと、約12%ということでございますので、これに比べると、まだ十分とは言えない水準にあるのではないかと思っております。

そのため、引き続き、基金残高が確保できるような健全な財政運営に努めまして、総合計画に掲げる、災害などにも対応できる持続可能な財政基盤の構築に取り組んでいきたいと考えております。

○大和委員

ありがとうございます。前年に比べてよくはなりましたが、まだ全国平均よりはちょっと下じゃないかということでありまして、何かの備えにやはり貯金がないと困るということで、これは家計でも同じことだと思いますので、理解はできるところではあります。

一方で、事業者さんのほうからは、厳しい事業者さんだと思いますけれども、財政調整基金を積むようでしたら、もうほかに補助金を出して経済活性化をしてもらいたいというような意見もあるようでございます。

今、部長のほうから話がありましたとおり、全国平均よりまだ低いということと、何かのときの備えということ、そういうこともしっかり県民の皆さん、事業者の皆さんに知ってもらうことも重要じゃないかなと思っていますので、その辺の工夫もしていただけるようお願いして、総務部長の質問はこれで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

山本知事、お願いします。

次に5項目め、令和3年度決算の財政状況評価及び令和5年度予算編成についてお伺いをしたいと思います。

今、総務部長から、令和3年度の主要事業の取組、県税収入、県債残高、財政調整基金の状況についての説明がありました。そこで、それを踏まえて、知事の令和3年度決算の財政状況評価についてお伺いをします。

また、令和3年度決算及び先般公表された中期財政見通しの状況も踏まえて、令和5年度予算編成をどのように考えているか、併せて御答弁をお願いします。

  • 山本知事

御質問ありがとうございます。

まず、今、大和県議のおっしゃった、政調会長がおっしゃった、令和3年度決算の財政状況の評価から申し上げたいと思います。

私は、知事就任前から、群馬県の財政状況、特に財政調整基金が少ないということについて、これは大きな課題だと考えておりました。基金が少ない状況のままでは、議員御存じのとおり、何か大規模災害等の緊急事態が生じた場合に対応し切れないと、これ、何度か例を挙げた福井市の例もありましたけども、多くの事業が中止や縮減に追い込まれ、結果として県民サービスの低下を招きかねないと、ずっとこう思っておりました。そのため、令和3年度の財政運営においても、一定の財政調整基金を確保できるように財政の健全化に努めたところです。

具体的に言うと、コロナ対策等において国の財源を最大限に活用すると、これ、当然のことですけども、同時にワクチン接種促進事業など、これも民間企業の御協力もいただいて、かなり低予算で大きな成果を上げることができたと考えています。それから、これも何度も御答弁申し上げましたが、群馬県のワクチン手帳、これは県議会でもいろいろと御意見をいただきましたけども、これはもう極めて少ない予算額で導入することができました。こうしたワイズスペンディングとか、積極的な事業の見直しとか、さらには県税収入の増額などによって、財政調整基金は、前年度末に比べて322億円多い506億円となりました。

なお、この額には交付税の減額精算分も含んでおりますので、これを除いた実質で言うと、297億円ということになっています。

また、臨時財政対策債を除く県債残高についても、5年ぶりに減少に転じました。さらに、臨時財政対策債を含む全体の県債残高についても、令和4年度末には16年ぶりに減少する見込みになっています。このように、令和3年度を振り返ると、様々な課題に積極的に対応しながらも、財政の健全化に向けて、県議会の御理解もいただきながら、前進できた1年だと考えています。

次に、令和5年度当初予算編成の考え方について申し上げます。

来年度の予算編成に向けて、令和3年度の決算状況など最新の数値を基に、中期財政見通しというものを改めて推計をさせていただきました。

まず、県債残高ですけども、令和3年度、令和4年度と、財政対策的な県債は発行しないという方針で臨んだために、令和3年の推計時と比べると、総じて残高を縮減することができたと思います。

しかしながら、今後の単年度ごとの財源不足については、残念ながら大幅な財源不足の継続が見込まれます。問題は、県の裁量で削減することのできない社会保障関係経費が引き続き増加するということなのですが、これも事業の見直し等を、これも県議会に御説明をしながら積極的に行ってきたために、何とか令和4年度並みの額にとどまっているということで、これをやらなかったら大変なことになったのではないかと思っています。

こうした中期財政見通しを踏まえて、令和5年度当初予算の編成方針を決定いたしました。新型コロナの影響等によって、税収等の最終の先行きは不透明です。さらに、社会保障関係費の歳出が引き続き、先ほど申し上げたとおり増加するということで、財政状況はますます厳しくなるだろうと考えています。そのため、ニューノーマルの視点から事業の必要性とか進め方を検証し、前例踏襲を排して、引き続き大胆な事務事業の見直しは続けていかなければいけないと我々は考えています。

こうして生み出した財源やマンパワーなどのリソースによって、県民の幸福度向上を実現するための各種事業は、これは必要なことは継続してしっかりやっていくということですが、その上で、リトリートの推進、クリエイティブの拠点化、災害レジリエンスの強化、こうした新しい群馬を切り開く未来の投資に対しても、財源を振り向けていきたいと思っています。

同時に、物価高騰対策とかコロナ対策として必要な事業は、国の方針とか感染状況等も踏まえながら、補正予算での緊急的な対応を含めて、引き続きしっかりとここにも取り組んでまいりたいと思っています。

以上、令和3年度決算の財政状況評価と、また来年度当初予算編成の考え方を申し上げました。

知事としての最大のミッションは、県民の幸福度向上を実現するということですが、そのためにもワイズスペンディングとか、EBPMですよね、データに基づく政策立案、こういうものも踏まえた上で、県議会をはじめ、県民の皆さんの声によく耳を傾け、さらには各担当部局とも十分に議論をしながら、予算編成を進めてまいりたいと思っています。

○大和委員

知事、ありがとうございました。令和3年度を振り返ってもらって、中期財政見通しを見ながら、令和5年度のお話もしていただきました。

私が申し上げるまでもなく、経営の要諦は、入りを量りて出ずるを制すということでありますので、この後、企業管理者にも質問をさせてもらいますけども、前々からある手法は、やはり優良な企業を誘致してきて、そこに住んでいただく方を増やしていくという手法があるかと思います。

もう1つ、やはり知事の新しい発想で、例えばリトリートですとか、それとメディアのデジタル化、クリエイティブ拠点化、こういったものがあるように思いますので、しっかり稼ぐという方法をどうしていくかということ、もう1点は、やはり出ずるを制すということで、今、難しい話がありましたけれども、社会保障費、これはやはり非常に膨らんでくるということであります。

私、大分県の新聞の記事を見ましたけれども、健康寿命の延伸というのに取り組んでいて、非常に効果があったというような記事を読ませてもらいました。今、群馬県も、G-WALKですかね、そういったアプリも使ってもらって、健康寿命を延ばすように取組をしてもらっていますので、しっかりと健康寿命が延びることは県民の幸福度が向上するということになりますので、そういった政策もしっかり進めていただくようお願い申し上げまして、知事の質問は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

続きまして、企業管理者、お願いします。

次に6項目め、令和3年度企業局の決算についてお伺いをしたいと思います。

第2次企業局経営基本計画がスタートした初年度の令和3年度は、純損益が42億3,800万円と、前年度と比較して19億8,000万円、88%増加しました。上々な滑り出しの年度であったと私も思います。管理者をはじめ、企業局職員の御努力に敬意を表する次第であります。

そこで、(1)5事業ごとの決算評価をお伺いしたいと思います。

なお、昨年度11月の私の一般質問において、企業局の特徴を生かした企業誘致に関してお伺いしましたので、この視点、もう1点は、工業用水道の契約水量を増やしていただくよう要望しましたので、この視点も加えて答弁をお願いしたいと思います。

  • 中島企業管理者

令和3年度は、私が企業管理者として着任しまして初めての予算を作成し、また、それが決算としてこの度まとまったものという年度でございます。先ほど県議に御指摘いただきましたように、5事業全体の黒字額は42億3,000万円、前年度比88%増という結果になりました。

事業ごとの私なりの評価及び今年度以降の見通しについてお答えいたします。

まず、電気事業でございます。電気事業につきましては、純損益が前年度を42%上回る21億

6,000万円の増益となりました。この背景でございますが、例えばCO排出ゼロの電力の地産地消、これを電源群馬水力プランとして売り出しております。こちらのほうだとか、あとは高浜発電所におきまして一般競争入札を実施したこと、あるいは八ッ場発電所の運転開始、こういったことが背景にございます。

それぞれの背景に関してでございますが、例えば電源群馬水力プランの推進においては、私、自ら営業活動を行っておりました。また、高浜発電所の一般競争入札に判断をしたということだとか、スケジュールどおりの運転開始を目指して八ッ場発電所の進捗管理をしたと、こういったことに私のキャリアが生かされたものと思っております。

今年度も、引き続き経営努力をしておりまして、その結果、更なる増収増益を見込んでございます。また、売電の長期契約が満了する令和6年4月以降につきまして、水力発電の環境価値を生かした県への貢献策を考えていきたいと思っております。

続きまして、工業用水道事業及び水道事業についてでございます。こちらのほうは、ほぼ前年並みの給水収益となりました。

水道事業におきましては、保守管理を徹底し、安定供給に努めることが最優先課題と認識しております。そのための施設の計画的な修繕や更新、改良工事を行ってまいりました。

その上でなのですけれども、例えば工業用水道事業については、議員御指摘のとおり、営業活動に力を入れております。その上で、東毛工業用水道の施設利用率の向上といったものにつなげたいと考えております。

また、水道事業におきましては、県央第二水道の受水市町と協議をいたしまして、施設の利用率の向上を図るといった活動もやっております。東毛工業用水道の営業活動の結果でございますが、今年4月に1社の新規契約、来年度に3社の新規契約を予定しております。

続きまして、団地造成事業でございます。こちらのほうは、堅調な分譲成績を残しておりまして、増益となりました。引き続き、産業団地の開発を積極的に行いまして、企業局の強みを生かした企業誘致、こういったもので県政発展に貢献したいと思っております。

具体的には、私どもの水力電源を活用した誘致、あるいは水も供給できますので、そういった私どもの事業をパッケージとした売り込み、こういったことを図っていきたいと考えております。

続きまして、施設管理事業でございますが、ゴルフ場事業におきまして、前年度のコロナ禍から回復したということで、増収という結果になっております。

純損益の項目を見ていきますと、旧上武ゴルフ場の廃止に伴う特別損益が出ておりまして、これが昨年度からの損失ということになっております。この損失の対応におきまして、今、議会で上程させていただいております議案にありますように、積立金などを取り崩すことで解消することをお許しいただきたいと思っております。

○大和委員

管理者、ありがとうございました。もちろんこの決算については好調に推移をしたということでありまして、事業ごとの御説明もありましたけど、まずもって民間から来た企業管理者がキャリアを生かして、特に電気事業を一生懸命頑張っていただいたというのは、大変よかったんじゃないかなと私も思います。

もう1点、団地につきましては、やはり前年度、令和2年度はなかなか販売実績がなかった、つまり在庫がなかったというよりか、売る物件がなかったということでありまして、これについては、企業誘致推進本部からたまが上がってこないとできない部分もあるかと思いますけれども、しっかりとその辺は、損益に直結しますので、是非在庫管理、企業誘致推進本部と連携してやっていただきたいなと思っているところであります。

何点かお話ししたいことがありますが、時間が迫ってまいりましたので、次に、(2)決算における利益剰余金の取扱いについてお伺いをしたいと思います。

先般の産経土木決算分科会において、企業局から、議会承認を得られれば、新たに再生可能エネルギー導入促進積立金として2億円を予定していると報告がありました。個人的には、9月の一般質問や質疑において、グリーンイノベーションの推進と再生可能エネルギーの普及をお願いした立場から、賛意を表する1人であります。

そこで、新たに積立金を設ける狙いについてお伺いをしたいと思います。

  • 中島企業管理者

今、県議御指摘のとおり、新たに再生可能エネルギー導入促進等積立金の設置を提案させていただいております。このことにつきまして、まず令和3年度に電気事業におきまして増収増益となったこと、あるいは今年度以降も収益の改善の見通しがあること、こういったことを背景に、私どもとして企業局による新たな県政への貢献というものを考えるようになりました。その結果が、再生可能エネルギー導入促進等積立金の設置ということになっております。

これまでも毎年、一般会計に対して、ぐんま未来創生基金の原資として10億円を拠出してまいりました。これに加えまして、電源事業を担う企業局の電気事業の立場や強みを踏まえまして、さらには再生可能エネルギー導入の促進につながるようにということで、この再生可能エネルギー導入促進等積立金を活用したいと考えております。

具体的な活用方法につきましては、来年度予算、令和5年度当初予算の編成の中で検討してまいりたいと考えておりますけども、例えば水素や新たなエネルギーなどの先進的な取組を行っている事業者や大学の研究室、こういったところにサポートできるような、そういったことも想定しております。

○大和委員

ありがとうございました。今、説明がありましたけれども、しっかりとその剰余金、県民に分かりやすく、また、群馬県に企業局ありということで、有効活用していただけるようお願いして、管理者の質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

続きまして、森林局長、お願いします。

次に7項目め、ぐんま緑の県民税についてお伺いしたいと思います。

森林は豊かな水を育み、災害を防止し、私たちの暮らしを支え、多くの恵みをもたらしてくれます。本県では、この大切な森林を守り、育て、次世代に引き継いでいくため、平成26年4月から県民税均等割の超過課税として、ぐんま緑の県民税を導入しました。

そこで、(1)令和3年度の実績についてお伺いしたいと思います。

  • 小山森林局長

議員お話しのとおり、県では、ぐんま緑の県民税を平成26年度から導入しまして、事業を実施してまいりました。5年を1期とし、現在、令和元年度からの第2期となっております。

ぐんま緑の県民税の主な事業として、経営が成り立たない奥山の森林等を整備する県の直営事業である水源地域等の森林整備と、荒廃した里山・平地林等を地域住民やボランティア団体と共に整備する、市町村への補助事業である市町村提案型事業を実施しております。

議員お尋ねの令和3年度の実績ですが、県が実施している水源地域等の森林整備では、事業費5億5,832万2,000円で、整備面積は583ヘクタールです。市町村提案型事業につきましては、県内の全35市町村で実施された405事業に対しまして、事業費3億86万7,000円を補助したところです。

○大和委員

ありがとうございました。適正にまた有効に活用されているということでございます。

次に、(2)今後の取扱いについてお伺いをしたいと思います。

このぐんま緑の県民税に関しては、令和5年度末で第2期の課税期間の5年間が終了予定となっています。一部報道では、県森林審議会やパブリックコメント、県議会の審議などを通じて、2024年度以降も継続したいと記載がありました。そこで、継続を考える理由と、仮に3期目が継続した場合、森林が少ない市町では、水質保全の目的で、汚水処理人口普及率向上のための事業を対象にしてもらいたいとの要望もあることから、現状の考え方についてお伺いしたいと思います。

なお、平成24年11月の森林環境税制に関する有識者会議、これはぐんま緑の県民税という名前に変わりましたけども、この有識者会議の報告書では、下流都県からは、利根川の水質汚濁に対する指摘を受けていることから、森林整備とともに、汚水処理人口普及率の低い群馬県の実情を踏まえ、源流の中山間地域にとどまらず、県内全域における生活排水施設等の整備状況を点検し、汚染、汚濁の原因となっている生活排水の河川への流入を減少させるため、地域や流域を単位として、合併浄化槽への転換を推進する施策を併せて織り込むことも検討をされたというふうに聞いております。

現状の汚水処理人口普及率の低迷と、当時と比べ、森林環境譲与税制度が導入された状況を踏まえ、お答えをよろしくお願いします。

  • 小山森林局長

継続を考える理由としましては、県の直営事業による当面の森林整備目標約1万ヘクタールに対しまして、第1期と第2期合わせての整備見込みが約6,500ヘクタールであります。第2期満了後も、整備すべき森林が約3,500ヘクタール残る見込みであることが挙げられます。そのため、引き続き森林整備を進める必要があると考えております。

また、市町村提案型事業では、8年間で荒廃した竹林の整備等2,184事業が実施され、地域の課題解決に貢献しており、町村会等からも継続要望が提出されている状況でございます。さらに、7月に実施した県民アンケートでは、約7割の方が継続に賛成しているという結果でありまして、県民の皆様に御理解をいただいていると認識しております。

水質保全のための事業を対象とすることについてでありますが、ぐんま緑の県民税導入時、合併処理浄化槽の整備など水環境の保全に使うことについて議論がなされました。その際、個人の財産取得を支援するために、ぐんま緑の県民税という特別の目的を有する税を充当することは適当でないということなどから、水環境の保全につきましては既存事業で対応し、使途に加えることを見送ったという経緯がございます。こうした議論の経緯を踏まえまして、第3期も引き続き、森林環境の適切な整備を進めてまいりたいと考えております。

なお、森林環境譲与税は、市町村が行う森林経営管理制度の運用や木材の利用、森林整備を進めるための人材の育成などに活用することとなっております。ぐんま緑の県民税と森林環境譲与税の2つの税を併せて利用しまして、県内の森林整備を推進してまいりたいと考えております。

○大和委員

局長、答弁ありがとうございました。継続の理由として3点ほど挙げられていたなと思っております。まだ整備すべき森林が約3,500ヘクタールあるということ、それと、町村会等から継続の要望が出ているということ、また、県民のアンケートをして7割の方が継続に賛成をしているということでありまして、私もそういった意味では継続に賛成の立場であります。

また、今、汚水処理人口普及率の向上に向けて、合併浄化槽のお話がありました。この中で、個人の財産取得を支援するためというようなお話がありましたけど、私が思うに、下水道の設備がないところは、当時は単独浄化槽を入れる以外ない、若しくは合併浄化槽を入れる以外ないという、そういった状況の中で選択をして、やはり下水道がない方は、当時は、平成13年までは、合併浄化槽が設置義務ではありませんでしたから、単独浄化槽でもいいという形になっていたと思いますので、そういった意味では、行政のインフラの整備によって多少状況が違っていますので、確かに個人の財産という面はあるかもしれませんけど、その辺は是非一考していただきたいなということが1つ。

それと、この緑の県民税は、市町村のほうでもちろん徴収しているわけでありますので、できましたら、特に森林のない市町のほうからは、もっと有効活用ができる選択肢を増やしていただきたいというような声も出ているようでありますので、また令和5年に向けて、今の答弁ではなかなか厳しいかなというふうな気もしますけれども、是非その辺の御意見、市町村からも出ていますので、お願いをしたいと思っています。

それともう1点、このアンケートにおいては、名称、税額、使途、いずれも知らないというアンケート結果が63%だったと聞いておりまして、これ、なかなかやっぱり、3分の2が森林ということで、そこにはなかなか人口が少ないというか、住んでいる方が少ないので、当然といえば当然なのかもしれませんけれども、やっぱり平地の方々がこの緑の県民税にとって恩恵が出てくると、もっと知っていただけるのかなと思ってもいますので、是非その辺も考慮していただいて、また考えていただければありがたいというふうに要望して、局長への質問は終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

以上で私の質問を終わりにしたいと思います。

 

○中沢委員長

以上で大和勲委員の質疑は終了いたしました。

 

◎休憩

○中沢委員長

暫時休憩いたします。

10分後に再開いたします。

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