少子化対策・Well-beingに関する特別委員会

令和6年6月8日(木)

◆大和勲 委員

保育関係について伺う。保育士による虐待については様々な原因があり一概には言えないが、業務過多によるストレスが虐待につながっているとも言われている。このような中で保育士の確保が求められている。保育士不足調査では、平成31年度が396人、令和2年度が342人、令和3年度が291人だった。令和4年の調査結果はどうか。

◎富澤 私学・子育て支援課長

配置基準を満たした上で、「採用計画」から「実際に採用できた人数」を引いた「不足数」は327人である。

◆大和勲 委員
必要な保育士を採用していくためには、潜在保育士の掘り起こしや、新卒者が保育業界に進んでもらえるような取組が重要である。かねてから一般質問等で取り上げてきた保育士就職支援センターが、今年5月15日に稼働されたことは、大変嬉しく思う。ぐんま保育士就職支援センターの稼働状況はどうか。

◎富澤 私学・子育て支援課長

開所後、5月末までに、求人相談19件、求職相談24件、保育施設への採用者も2名あった。

◆大和勲 委員

保育士就職支援センターが活用されるよう周知に努めて欲しい。
1歳児保育士配置加算補助について、1歳児5人に対して保育士1人である現在の5:1配置から4:1配置に充実させた場合、補助金額と保育士数はどれだけ増加するか。

◎富澤 私学・子育て支援課長

配置で約6億4千万円の県予算が必要となり、現在より約4億円増額となる。また、保育士は令和4年4月現在の1歳児約3,600人を4:1配置で単純計算すると180人増加が必要と試算されるが、現時点で手厚く配置する保育所もあることから、必ずしも新たに増加が必要とは限らない。

◆大和勲 委員

国は異次元の少子化対策に取り組んでいるため、情報収集をしてほしい。仮に4:1となった場合に、現在でも採用できない保育士が327人いる中で、さらに増加し、500人近い保育士が不足する可能性があるため、やはり保育士就職支援センターを充実していくことが必要である。また、配置基準に対する補助制度の見直し等については、国の動向や現場の意見を聞いて進めてほしい。
次に、県民幸福度の向上について伺う。県民アンケートでは、幸せを判断する際に重視した項目として、「健康状況」を挙げる人が令和2年及び令和3年ともにトップで、66%とのことだった。
健康寿命の延伸には健康経営の視点も重要と考えるが、県の取組はどうか。

◎武智 健康長寿社会づくり推進課長

県内では健康経営を行う企業が増えており、県民の健康増進につながるものと考えている。
また、県では、企業や健康保険組合等と連携し、健康づくりの取組を進めるためのセミナーを開催するほか、各保健福祉事務所の地区地域・職域連携推進協議会において、市町村や地元の企業等と地域の健康課題に対応した健康づくり対策を協議している。また、全国健康保険協会群馬支部と健康づくりの推進に向けた連携協定を締結し、事業所における従業員の健康づくりの取組への支援を行っている。

◆大和勲 委員

企業での健康に対しての意識づくりが重要である。健康経営について上毛新聞にも取り上げられていたが、健康経営優良法人や、いきいき健康事業所宣言制度を利用する企業も右肩上がりで増えている。県では、しっかりと企業に寄り添い、人材育成も含めて支援をお願いしたい。

次に、健康寿命延伸について伺う。大分県では「健康寿命日本一おおいた県民運動推進条例」を、徳島県では「とくしま健康長寿社会づくり条例」を議員発議で制定している。仮に群馬県でも議員発議で「健康寿命に関する条例」を制定する場合、県の考え方とも整合性を取る必要があると考えるがどうか。

◎武智 健康長寿社会づくり推進課長

今年度、県では第3次県健康増進計画を策定することとしているが、常任委員会での審議などを通じて議会と連携を図れるものと考えている。

◆大和勲 委員

議会としては、条例という形でないとしても、県の後押しをしていきたい。

10月5日(木)

◆大和勲 委員

保育士の通常の実技試験では、読み聞かせや絵を描くこと、ピアノ演奏などがあり、一発勝負で緊張したりストレスがかかったりするが、地域限定保育士はこれを講習で代替ができるという内容になっている。
保育人材不足の解消に向け、国では地域限定保育士の仕組みを全国展開する動きもあるようだが、県は制度の導入について、どのように考えているか。

◎富澤 私学・子育て支援課長

地域限定保育士は、現在は国際戦略特区に指定されている神奈川県や大阪府などで実施されている。今後、全国に拡大させていく方針であると聞いている。都道府県が実施する実技講習を受講してそれを修了すれば実技試験が免除されるため、受験におけるハードルが下がり受講者の増加が期待できるほかに、3年間は地域で勤務することが限定されているため、地域で働く保育人材の確保に非常に効果があると考えている。
国のこども家庭審議会の議論、特区で先行実施している自治体での効果、実技試験がないことによる保育への影響などを確認し、実施についての研究を行っていきたい。

◆大和勲 委員

伊勢崎市の社会福祉協議会では、ボランティアをしたいという学生が多いため、ボランティアの学生が部活動で教えられるような仕組みを考えてみたいという話を聞いた。
部活動の地域移行について、大学がある市町村は大学生と積極的な連携を図れると良いと考えるが、県内の大学生と部活動地域連携などについて伺いたい。

◎橋 健康体育課長

現在、大学生が地域スポーツクラブの指導や大会運営等で活躍している状況が見受けられる。大学生は将来も含め、地域指導者の一員としての役割を担うことも想定している。今後、地域の実情に応じた大学との連携についても検討を進め、引き続き、関係団体等と協働・連携しながら、推進計画を踏まえた部活動の地域連携や地域移行に取り組んでいきたい。

◆大和勲 委員

卒業により学生が毎年替わっても、大学のキーマンとなる人と連携し、大学生が部活動の指導を継続的に行えるよう、大学と連携した体制を先行して導入してもらいたい。
次に医療通訳ボランティア派遣制度について伺う。外国人の方が病院へ行った際の医療通訳は大変重要であるが、その対応ができているか、ここ数年の各年度の派遣実績について伺いたい。

◎多田 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課次長

派遣実績は、令和元年度284件、2年度325件、3年度427件、4年度229件、5年度は8月末時点で90件となっている。

◆大和勲 委員

令和4年度は派遣実績が減少しているが、委託先を変更したことによる影響はどうか。

◎多田 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課次長

通訳者側の理由で派遣できなかった事例はない。また、減少した要因としては、翻訳機等の普及により通訳なしで対応できる場面も増え、手術など重要な説明をする場合には通訳を依頼するなど、ツールを使い分けるようになったことが挙げられる。

◆大和勲 委員

次に、多文化共生・共創推進月間について伺う。令和元年の外国人との共生に関する特別委員会での調査で、静岡県浜松市では外国人との共生月間があると知り、私は知事等々に、群馬県でも今後、外国人との共生を考える上でこうした月間があった方がよいのではないかと提案したことを記憶している。
これまでコロナ禍でイベントの開催も難しい環境だったと思うが、今年度のぐんま多文化共生・共創推進月間の取組内容はどうか。

◎多田 ぐんま暮らし・外国人活躍推進課次長

多文化共生・共創推進月間は、県民の多文化共生・共創社会の形成の推進に係る関心を高めるため、群馬県では10月をぐんま多文化共生・共創推進月間と定めて、令和3年度から集中的に周知啓発を行っているところである。
今年度は、10月15日に県庁で多文化共生イベント「からっかぜパーク」を開催する。幼少期からの多文化体験を主軸にしているが、大人も楽しめる企画となっている。また、新たに若い世代をターゲットにした啓発動画を県内3か所の映画館で広告上映するなど、各種媒体を活用した周知を行っている。

12月11日(月)

◆大和勲 委員

特別委員会の名称に「Well-being」が入っている。県民幸福度向上についてのアンケート調査では、幸せを判断する際に重視した項目として、「健康状況」を挙げる人がトップで66%だった。健康寿命の延伸について取り上げていきたい。
まず、働き盛り世代に対する生活習慣病予防対策について、群馬県の状況と取組はどうか。

◎武智 健康長寿社会づくり推進課長

群馬県における健康課題としては、高血圧のほか、糖尿病、心疾患や脳血管疾患などがあげられる。高血圧は、食塩の摂り過ぎ、肥満、飲酒、喫煙や運動不足が原因とされている。令和4年度県民健康・栄養調査の結果によると、群馬県民の1日当たりの食塩摂取量や日常生活における歩数については、県健康増進計画の目標値には達しておらず、生活習慣の改善が引き続きの課題となっている。
そのため、県では県公式アプリ「G-WALK+」を活用するなどして、県民の日々の健康づくりを支援している。また、市町村や企業の保健指導担当者向けの研修会を開催するなど、県民の生活習慣の改善、生活習慣病の発症予防、重症化予防に努めている。

◆大和勲 委員

私も「G-WALK+」を活用し、1日1万歩を目標に歩いている。目標を決めると隙間時間にちょっと歩いてみようかなという気になり、健康づくりに効果がある。中期財政見通しでは、社会保障費や医療費の適正化が非常に重要であるため、「健康になれる」と「医療費の適正化が図れる」の一石二鳥なこうした取組を推し進めてほしい。
健康寿命の延伸に向けては、働き盛り世代における生活習慣病予防に取り組む必要がある。これについては、地域保健と職域保健が連携することが重要となる。地域・職域連携推進協議会の取組状況はどうか伺いたい。

◎武智 健康長寿社会づくり推進課長

地域・職域連携推進協議会は、市町村や地元の企業等との連携体制を整え、地域の健康課題に対応した健康づくり対策について協議や実践を行う場であり、群馬県では保健福祉事務所単位で設置している。たばこ対策や糖尿病予防、身体活動の増加など、各地域で設定したテーマに応じて、関係者が連携して健康課題に取り組んでいる。

◆大和勲 委員

健康づくりに興味のない方にいかにアプローチできるかが重要であり、こうした方への「G-WALK+」等の取組も広げてほしい。