ぐんまの暮らしづくりに関する特別委員会での質疑 平成30年3月6日(火)
◆大和勲 委員
ぐんま暮らし支援について、先日の日本農業新聞に、全国の移住希望地域ランキングが掲載されており、群馬県は14位で昨年の17位から上昇しており、喜ばしいことである。6月の委員会で昨年度の移住相談件数が1,036件だったという答弁をいただいたが、今年度、直近の数値はどうなっているか。
◎武藤 地域政策課長
移住相談件数は今年度、2月末時点で1,096件と、既に昨年度の数値を上回っている。内訳は、移住相談会が555件、ぐんま暮らし支援センターの窓口が439件で、この2つで大半を占めている。
◆大和勲 委員
移住相談会の参加の市町村も、27から29になったということで進捗があり、ありがたく思う。また、さらなる移住を促進するための、PR動画、ポスターの進捗状況はどうなっているか。
◎武藤 地域政策課長
PR動画については、ほぼ撮影を終了しており、現在編集作業中であるが、年度内には完成の予定である。ポスターについては、「山村で自然と生きる」「アウトドアライフなどの趣味を満喫」「都内通勤で都会での仕事と田舎での子育てを両立」の3つを本県の強みとしてアピールするという方針のもと、作成を進めており、こちらも年度内には完成の予定である。
◆大和勲 委員
さらなる移住促進のため、そういったツールを活用してもらいたい。
移住には住まいと仕事の2つが重要であり、和歌山県では移住と事業承継をセットで取り組んでいるということだが、群馬県では移住と職業をどのように絡めて取り組んでいくのか。
◎武藤 地域政策課長
ぐんま暮らし支援センターでは移住と就職の相談員を配置し、2つの相談にワンストップで対応している。また、30年度からはぐんまちゃん家で実施しているGターンの就職相談もぐんま暮らし支援センターのある回帰支援センターを拠点として一体的に行う予定である。
事業承継については、事業引継支援センターの相談員からぐんま暮らし支援センターの相談員に情報を提供する形で連携を図っている。個人事業者のケースが中心となるが、希望があれば移住相談者に情報を提供している。また、地域おこし協力隊の制度を活用して、例えば、下仁田町では味の継承ということで、隊員に中華料理店の後継者になってもらっている。
◆大和勲 委員
移住するためには生活が大切だと思うので、就労支援の方も是非お願いしたい。
もう一点、移住支援については、空き家の活用も大切であるが、県としてはどのように取り組んでいるか。
◎武藤 地域政策課長
県内で空き家バンクに取り組んでいるのは15市町村であり、県では移住ポータルサイトや市町村の移住支援策をとりまとめた冊子で市町村の情報を一元化し、発信している。
◆大和勲 委員
しっかり取り組んでいることが確認できた。30年度はさらにランキングの順位が上がることを期待している。
最後に、多文化共生では外国籍の子どもさん達が、望んだ教育を受けられる機会を提供できるようにしていくことが重要ではないかと思う。一般質問でも外国人の方が高校入試が受けやすいようにということで、特に本県では公立高校入試選抜で外国籍または外国人という明記がないということで、明記をお願いし、30年度から外国籍ということで明記していただき、支援している団体からも大変ありがたかったと聞いている。しかしながら、その明記の中で、初めて来日した人という明記があり、これが門戸を少し狭めているのではないかとの意見もある。例えば、小学校の3,4年で一度来日し、中学校の2,3年で帰ってきた方は2回目の来日になるので対象にならない。保育園や幼稚園の時に日本にいて、外国に戻ってまた来日しても、その方は初めての来日にはあたらない。できれば広く外国の方にも教育の機会を整えることが重要ではないかと思うが、教育委員会の考えを伺いたい。
◎有阪 高校教育課次長
現行の入学者選抜実施要項では、「初めて来日した者」という規定があり、幼少期に日本で生活し、その後、海外に移住し、再来日した外国籍の生徒については、海外帰国者等入学者選抜の対象にはなっていない。これは、従前、「中国等の海外から永住するために引き揚げてきた者の子」の規定を準用した初来日の外国籍受検者への対応を、より広く周知するため、平成30年度の実施要項において明文化したものである。
再来日した外国籍の生徒については、幼少期に日本で生活していた期間や日本語能力に差があるため、一律の規定を設けて、海外帰国者等入学者選抜の対象とすることは難しいが、入学者選抜全体の公平・公正を確保した上で、外国籍受検者にどのような配慮をすることが必要か、他県の状況等も確認しながら慎重に検討してまいりたい。
◆大和勲 委員
他県の状況も研究し前向きに検討いただければありがたい。
次に、公立高等学校入学者選抜実施要項では、中学校卒業程度認定試験合格者は、海外帰国者等入学者選抜の対象としていなかったが、中学校卒業程度認定合格者を加えることについて、検討状況はどうか。
◎有阪 高校教育課次長
平成31年度入学者選抜については、平成30年7月末を目途に「平成31年度入学者選抜実施要項」として公表を予定している。
外国籍で中学校卒業程度認定試験に合格した者については、現状でも海外帰国者等入学者選抜の対象としていることから、応募資格として実施要項に記載することについては、前向きに検討しているところである。
◆大和勲 委員
現場で活動している会と県教育委員会との意見交換について、状況はどうか。
◎鈴木 義務教育課長
平成29年2月に、全県の市町村教育委員会の課長が集まる会議の中で、外国人支援に関わっているNPO法人による、就学機会の支援に係る活動について情報提供する機会を設定し、支援の在り方等について情報交換をした。
その後、平成29年8月に、義務教育課の担当者とNPO法人担当者で、外国人児童生徒に係る不登校の未然防止や、不登校・不就学からの復帰支援について、意見交換を実施した。
さらに、平成29年9月に、第2回群馬県多文化共生推進会議の中で、外国人児童生徒等に対する日本語指導研究協議会など、義務教育課の取組について説明したところ、NPO法人からも、日本語指導のよい指導法を、是非今後とも共有していってほしいという要望をいただいた。
様々な機会を通じて情報交換を行ってきたところであるが、今後も、機会を捉えて、外国人児童生徒への支援について努めてまいりたい。
◆大和勲 委員
是非、意見交換をしていただきたい。