脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会 令和4年3月4日(金)

○大和副委員長
 特別委員会の質疑が本日で最後ということですので、自分自身も、今年度の特別委員会を振り返って、2点ほど質疑をさせていただければと思います。
1点目は、市町村におけるESCO事業の支援についてお聞きします。
再三、一般質問や特別委員会で取り上げていますけれど、このESCO事業というのは、二酸化炭素の削減もでき、また環境にやさしい手法であり、かつ、財政的なメリットもあるということで、積極的に本県の施設にも取り入れてもらいたいという話をさせていただいて、それが一助となって、少しずつ施設にも導入をされているところであります。
そして、カーボンニュートラルまた脱炭素社会に向けては、これは県庁だけではなくて、やはり市町村また民間の施設にも、このESCO事業を活用すべきではないかということと、県と市町村の連携は重要ではないかということで、6月だったと思いますが、市町村とのESCO事業の連携・取組について、どのようになってるか質疑をさせていただきました。そのとき木島課長からも、ぜひ前向きにという答弁がありましたので、その進捗状況について質問をさせていただきながら、今後の予定についても最後ですので、お伝えいただければありがたいと思います。
●木島気候変動対策課長
市町村におけるESCO事業への県の支援ということでございます。
まず、県のESCO事業の取組は御案内のとおりでございますけれども、総合交通センターをはじめ5か所で実施をしているところでございます。
ESCO事業につきましては、民間の資金やノウハウを活用して、県有施設の省エネ改修を行いまして、長期間にわたってその効果が保証されるなどの大きなメリットがあるため、市町村や民間事業者に対しても進めたいと考えております。
ただ一方で市町村にお伺いしますと、高度なエネルギーマネジメントによる省エネ効果の保証など、包括的なサービスを提供するESCO事業本来の、その特徴の部分でございますが、これが日頃取り扱っている省エネの改修の工事とは少し違いまして、事前の調査やサービス提供業者の選定、それに、契約の方式の検討など、少し違った取組があるところから、抵抗感があるというところが課題でございました。
そのため、県内の自治体では、改修工事としてESCO事業を実施しているところは限定的となっています。
その辺を踏まえまして、委員からの御指摘いただいた御質問に対して、今年度、市町村ともミーティングをさせていただいて、要望を踏まえる形で、この2月に市町村担当者を対象に、公共施設の温室効果ガス排出量削減に向けた勉強会をオンラインで実施させていただきました。
講師に一般社団法人ESCOマネジメント推進協議会から専門家を招いて、ESCO事業の仕組みや導入までの手順、メリットや留意点など、特に自治体向けに特化した形で説明をさせていただきました。
また、この際、県が今まで実施した5つの施設の取組の概要や改修の内容、そしてエネルギー使用量などのデータをまとめて、導入事例として、現実にはこういう形になっているということを御紹介させていただきました。
研修後のアンケートでは、ESCO事業のことはよくわかったという回答ではありましたが、先ほどの一般の改修工事とは違う部分で、市町村におけるマンパワーを考えると、なかなか抵抗感があるという話でありました。
その点も踏まえまして、今後の取組でございますが、引き続き、ESCO事業をはじめとする省エネ改修事業、そして、それに伴う先進事例についての情報提供、さらに市町村への周知をしっかり行いたいというのことが、まず第1点です。
また、限られたマンパワーでも事業が進められるよう、市町村の状況を踏まえた支援を続けてまいりたいと考えております。
○大和副委員長
御説明ありがとうございました。
早速、2月に勉強会を開いていただいたということであります。何回もお話させてもらいますが、メリットはあるのですがスキームというかやり方が難しいため、今課長から答弁があったようにマンパワー不足等々もあるのかなと思っております。
県の方はどちらかというと空調関係ですが、市町村ですと、私の市議会時代は、特に防犯灯のLED化のESCO事業、これが前橋、太田、伊勢崎もやっていただきましたけれども、やはり市町村が取り組めるような部分もありますし、またそれも、防犯灯の数によってはメリット・デメリットがあるので、人口が10万人ぐらいでないと、もしかしたら難しいのかなという気もしておりますが、ぜひ、説明を続けていただけたらと思います。
それと総務部長にも一般質問で質問させていただきましたが、このESCO事業は、大きく区分けをするとPPP、PFIの一部に入っておりまして、総務部の方も、そのプラットフォームを使って、3月17日が3回目のセミナーであるかと思いますけれども、そういった中でも、ぜひこのESCO事業を取り上げていただくことが一つ大切かなと考えております。まさしくこれは環境森林部と総務部の縦割りではなくて横串を差した講演会になると思いますので、今後、いろいろな部分で進めていただいておりますが、ぜひ縦割りではなくて横串を差していただくような取組を各部署とやっていただければありがたいと思います。
もう1点、令和4年度の組織改正について、質問させていただきます。
この特別委員会でもそうですし、一般質問におきましても、私の方からこの脱炭素社会を達成するためには、行政の縦割りを排除して、全庁挙げた組織もしくは仕組みを構築すべきではないかというような質問をさせていただきました。
一般質問におきましては、岩瀬環境森林部長から来年度に向けた取組を効果的・効率的に推進するための体制や仕組みについて、関係部局と協議、検討していきたいという御答弁がありました。私の質疑が考えるきっかけづくりになったのかなと思っておりまして、新年度に向けての組織編成ということで、グリーンイノベーションを強力に推進するために、知事戦略部にグリーンイノベーションを推進する部長級の推進監を設けられるということであります。
また、気候変動対策課をグリーンイノベーション推進課という形で知事戦略部に持ってくるということと、課内に再生可能エネルギー推進室を設けるということになったと聞いております。
大変ありがたいですし、この組織で強力に令和4年度も進めてもらいたいと思いますけれども、現状は環境森林部の中で気候変動対策課がありましたが、今度は知事戦略部の中に、もちろん推進監も入るわけですけれども、やはりこれが縦割りだと意味がないと思いますので、どのよう部局横断的に取組を進めるのか、令和4年度の話でありますけれども、今年度の特別委員会を振り返って、御説明をいただければと思います。
●岩瀬環境森林部長
組織につきましては、大和副委員長から特別委員会あるいは一般質問で御質問いただいて、総合調整の機能を果たすために、組織を検討させていただきたいという答弁させていただきました。
そして、令和4年度の組織改正で、知事戦略部にグリーンイノベーション推進監、そしてグリーンイノベーション推進課、課内室として再生可能エネルギー推進室を設置させていただいたところであります。
役割でありますけれども、総合調整につきましては、知事戦略部のグリーンイノベーション推進監を中心に取り組みたいと考えています。それから、脱炭素の取組は、再生可能エネルギー推進室を中心に取り組みたいと考えています。宣言4と宣言5、プラスチックゴミゼロと食品ロスゼロについては、環境森林部に残す方針であります。
そのため、ぐんま5つのゼロ宣言を実現するためには、知事戦略部のグリーンイノベーション推進監を中心に環境森林部と連携して、それと県の全政策分野に脱炭素の取組を行きわたらせる必要がありますので、これにつきましてもグリーンイノベーション推進監を中心に、全力で取り組ませていただきたいと考えております。
○大和副委員長
部長から御説明いただきましてありがとうございます。
今、御説明があったとおりだと思いますけれども、もちろんグリーンイノベーションですから、産業界にも影響がありますし、もちろん農業も産業という位置付けだと思っておりますので、このグリーンイノベーションによって、産業が発展していくというのが、一番のねらいというか、やはり大切なのかなと思います。もちろん気候変動を抑えていくことも重要でありますし、それが一番大切なのかもしれませんけれども、人間が経済活動していくためには産業をもっともっと良くしていかなくてはならないと思いますので、推進監にはそういった観点を持っていただけるとありがたいと思いますし、農業におきましても、一般質問もありましたけれど、荒廃地ができてきて、それをどう活用するのかが課題になっていると思っております。
そういった意味では、農業は農業を守る立場がありますが、全体を見てどういった流れにしていくかが重要ではないかなと思いますので、その辺の連携も推進監にはお願いをしたいと思います。私どもは来年度まで議員という立場でありますので、グリーンイノベーション推進監、また組織がどのように変わっていくのか、来年度しっかりと見守って行きたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、私の質疑を終わりにしたいと思います。