講演会 かけがえのない国民皆保険維持のために

日時 23年12月11日(日)12時50分から

場所 東京 丸ビルホール

主催 日本経済新聞社

講演会 かけがえのない国民皆保険維持のために~いま私たちにできること ジェネリック医薬品~

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オープニング   「日本がもし1,000人の村だったら」 VTR放映

■第1部 基調講演 「これからの日本経済と社会保障」  講師 竹中平蔵氏
 世界の視点で日本を見る事が肝要である。ヨーロッパは通貨統一されたが、財政統一がされていない。ギ
リシア国債を保有しているのはフランス・ドイツの銀行であることから、今後は財政危機から金融危機が予
測されるのでヨーロッパ経済は厳しいことになるだろ。一方、日本では復興特需(12兆円の三次補正予算)
が序序に出てくるだろう(震災で17兆円が失われた)。しかし、電力不足による企業の海外移転による空洞
化が心配されるとのこと。
 現在、政府は「税と社会保障の一体改革」として消費税5%から10%へ政策を進めているがどうか?本来
は、「経済と財政の一体改革」を実行しなければならない。社会保障費が毎年伸びるから消費税を上げると
いう発想はナンセンスである。まず、社会保障費を抑える・削減させる努力が求められる。そして、経済成
長させる施策が必要である。消費税の議論は、名目成長率1%で試算しているが成長率を上げる視点が欠け
ている。デフレ克服とムダの削減を行えば、理論上は5%上げるのと同様な効果がある。実際小泉政権時代
は、国の歳出は80兆円であったのが今は90兆円あるのだから、10兆円は削減できる余地がある。また、税
収が過去一番あった年は1997年で、消費税を3%から5%に上げる前であったことも忘れてはいけない過去
の教訓である。仮に消費税を5%上げるのならば若い世代と地方分権に財源をシフトすることが望まれる。
今後の政治のポイントとして、①原理原則に反しない ②大きな絵を描く(ビジョンや方向性) ③早くや
る→今の政権に欠けている要素でもある。
■第一部の感想
社会保障費は増え続けるから消費税アップは仕方ないという考えがあったが、社会保障費の抑制(例えば、
ジェネリック医薬品のシェアを上げることや富裕層の年金支給を極力抑えるような工夫)と成長戦略が大切
であることが痛感できた。また、ムダの削減もしなければならない。過去の政策の効果を調べ原理原則に基
づくことも再認識できた。
■第2部 トークセッション 「いま私たちができること ジェネリック医薬品」
 ※ジェネリック医薬品(特許期間の切れた高価な先発医薬品と同じ有効成分、同じ効能・効果で価格が安
く設定されている薬のこと)については、【ジェネリック医薬品 パンフレット】を参照。
 医者・薬剤師・一般人の立場から、ジェネリック医薬品についての話があった。現在、国の医療費は、平
成19年度年間34兆円に上る。内訳は、公費・税金が37%の12.5兆円。国民保険料(被保険者・事業主)
49%の16.8兆円。患者(窓口負担)負担金が14%の4.8兆円になる。国民レベルの医療費削減には、ジェネ
リック医薬品を利用する方法がある。平成23年速報値ベースで、日本のジェネリック医薬品の普及率は数量
ベースで23%であり、アメリカ・イギリスなどは60%を超えている。一層の普及に努めることが必要であ
る。との意見があった。
■第二部の感想
 我々の工夫次第で医療費の低減ができることが、再認識できた。ジェネリック医薬品について知ってもら
う努力をすることも大切である(メリット・デメリット)。今後、ジェネリック医薬品について自治体の取
組(広島県呉市・甘日市、大阪門真市など)など研究したいと思います。もちろん、医療機関にかからない
健康な体づくりが最大の理想である。