外国人との共生に関する特別委員会での質疑 令和元年6月6日(木)

◆大和勲 委員
先ほどの金子委員の質問に関係した要望になるが、医療通訳派遣事業について、医療機関の費用負担や委員会の設立など制度の改善がされているが、人の命を預かるメディカルインタープリターが3,000円しか得られないのは課題である。また、医療機関が費用負担することで件数が減るのではないかという心配もあるので、NPOの意見をよく聞いてもらいたい。
県内小中学校の外国人児童・生徒数及び日本語指導を必要としている児童・生徒数及び県内小中学校の日本語指導を行う教員の配置校数及び人数はどうか。

◎鈴木 義務教育課長
外国人児童生徒数は、平成30年度学校基本調査によると、小学校では1,977人、中学校では835人、計2,812人である。また、日本語指導を必要としている児童生徒数は、平成30年度文部科学省が実施している日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ等に関する調査によると、小学校では873人、中学校では258人、計1,131人である。特別に日本語指導を行うために配置している教員数は、令和元年度は、47校に76人である。

◆大和勲 委員
外国人児童生徒の下学年編入及び過年齢受け入れをしている県内市町村の状況はどうか。

◎鈴木 義務教育課長
平成30年度文部科学省日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ等に関する調査によると、下学年の編入については、いくつかの市町村で、一時的に下の学年で受け入れて途中から該当学年に入れたり、正式に下の学年で受け入れたりしている。また、学齢を超過してから受け入れている市町村はない。

◆大和勲 委員
市町村で多少差があるとのことだが、こういった状況を解消することを課題に検討会を立ち上げるという記事が5月27日付けの上毛新聞に掲載された。検討会の内容について伺いたい。

◎鈴木 義務教育課長
平成30年度の調査では、外国人児童生徒は県内35市町村のうち23市町村に在籍しており、入管法の改正により、今後ますます広がっていくことが予想される。これまで、集住地域を中心に、それぞれの市町村が実態に応じて、外国人児童生徒の受入れに取り組んできているが、今後広がっていくことを踏まえて、市町村の受入れの現状や課題、実際に児童生徒を受け入れている学校の状況等について情報交換し、県としての課題を改めて整理することで、今後の方向性につなげていきたいと考えている。構成メンバーは、集住地域を中心に、外国人児童生徒が一定数見られる市町村の教育委員会、また、県内4地区の代表の小中学校長である。開催時期は、7月と12月である。検討内容を県市町村教育長協議会で報告しながら、全県で今後の方向性を考えていきたい。

◆大和勲 委員
下学年編入等を含め、各市町村によって差があるのではなく、県内どこでも同じ教育が受けられる環境づくりをしてほしい。また、伊勢崎市を含め、先進的に取り組んでいる市町村の良い事例を、他の市町村に広げてほしい。
公立高等学校入学者選抜における「海外帰国者等入学者選抜」について、本県における受検者数及び海外帰国者等を対象とした選抜を実施している都道府県数はどうなっているか。

◎野口 高校教育課次長
本県の平成31年度入学者選抜においては、前期選抜の志願者12,756名のうち18名が、後期選抜の志願者7,593名のうち7名が「海外帰国者等入学者選抜」で志願している。これは海外から帰国した日本人生徒も含めた人数である。また、一般の選抜で受検する外国籍の生徒もいる。海外帰国者等を対象とした選抜の実施状況については、定員枠を設けているケースや教科数を減らしているケースなど外国籍の志願者に対して何らかの措置を実施している都府県は23都府県ある。

◆大和勲 委員
「海外帰国者等入学者選抜」の応募資格として、平成30年度入学者選抜では「外国籍を有する者にあっては、3年以内に初めて来日した者」としていたものを、平成31年度入学者選抜から「入国後の在留期間が通算で3年以内の者」と変更していただき、ありがたい。引き続き、関係者の要望も聞きながら、例えば「10歳以降の在留期間が通算で3年以内の者」などへの変更も検討してほしい。
今までは、日本人が外国の方を支援するという発想だったが、今後は外国人の方が外国人を支援するという体制づくりが重要であると考える。外国人キーパーソンの育成について、養成講座の受講者の推移はどうか。また、課題があったら伺いたい。

◎西 外国人活躍推進課長
平成30年度が13名、29年度が24名、28年度が15名である。課題としては、受講者が少ない年があったこと、また修了者に日本語教室を開いてもらいたいが、まだ2か所のみということである。教室開講までは至らないが、受講者が地域のコミュニティーの中心人物になっているということは聞いている。

◆大和勲 委員
事業の広報をしっかりして、受講者を増やしてもらいたい。高度な外国人が外国人を支援する仕組みづくりが大切であると考えている。