議会 一般質問11月30日

議会 一般質問11月30日 大和勲

〇大和 勲議員
自由民主党、伊勢崎市選出の大和勲でございます。
まずは、時間がたってしまいましたが、4月に行われました統一地方選では、大変皆様に御支援いただき、初当選することができました。誠にありがとうございます。
また、本日は、多くの後援会の皆様、そして、テレビからも応援をいただいていると思います。市議会時代の経験や県政に挑戦する課題を入れて、一般質問に取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
大澤知事、お願いします。

 

■1の質問

〇大和 勲議員
まず最初に、本年7月に多くの県民の皆様の支持をいただき、見事3選された大澤知事に、健全な財政運営の観点、民間ノウハウの活用、働き方の工夫などを含めた今後4年間の県行財政改革・運営についての所見をお伺いしたいと思います。

〇大澤正明知事
私は、知事就任当初から一貫して、県政改革を公約の1つの柱と据えて取り組んでまいりましたが、ただいま議員から御指摘のあった点については、いずれも重要な点であると思っております。
まず、健全な財政運営については、「群馬県行政改革大綱」において、健全な財政運営の維持を目標のひとつとして掲げて、重点的に取り組んで、具体的には、県税収入の確保や県有資産の有効活用などによって歳入確保に取り組むとともに、事業評価等を通じた事業の見直しなどを行いまして、歳出の最適化を図っているところであります。これらにより、基礎的財政収支の黒字の維持や県債残高の縮減など、財政の健全性を保つよう努めておりまして、引き続き健全な財政運営を目指して取り組んでまいります。
また、民間ノウハウについては、指定管理者による公共施設の運営、ESCO事業による施設の省エネ改修、資産を有効活用した上毛学舎の整備などのように、より良いサービスを効率良く提供する観点から、活用を進めております。このほか、県産品の販売促進や災害対応などにおける民間企業との連携、子育て支援や防犯対策などにおけるNPO法人等との協働などにも取り組んでいるところでございます。今後も、公共施設等の老朽化対策など、様々な場面で民間ノウハウや活力の活用を含めた幅広い事業手法について検討を行い、県民サービスの向上と財政負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
働き方の工夫という点に関しましては、時代の変化や情報通信技術の進歩といった社会の動きを常に意識しながら、事業の実施方法や業務手順といった仕事の仕方を見直していく必要があると思っております。職員には、前例踏襲で漫然として仕事を続けるのではなくて、人口減少問題を見据えまして、広い視野で物事を捉え、新しいことに積極的に挑戦するよう求めていきたいと考えております。今後も、限られた人員・財源の中で、人口減少対策を土台に据えまして、次期総合計画の取り組みを着実に推進し、群馬の未来を切り開いていかなければならないと考えております。このため、引き続き時代の変化に柔軟に対応した効率的で機能的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。

〇大和 勲議員
知事、ありがとうございました。知事のこれからの4年間にかける県行財政改革への思い、また、運営について所見をお伺いしました。
それでは、本県の行財政改革・運営について、大きな2番の質問から5番まで、具体的にお尋ねをしたいと思います。
知事、どうもありがとうございました。

 

■2の質問

〇大和 勲議員
財政改革の基本は、「入りをはかりて出るを制すこと」であります。そこで、2点目の(1)として、自主財源の21%、685億円を占めている個人県民税対策についてお伺いしたいと思います。
まず、(1)として、平成29年度に導入を予定している給与所得者を対象にした個人住民税の特別徴収の一斉指定、いわゆる事業主が天引きをして納税することについてお伺いしたいと思います。
私は、伊勢崎市議会時代に、前橋市や浜松市の市民税の徴収強化対策について学ぶ機会がありました。特に浜松市では、静岡県下で特別徴収の一斉指定をすることで収納率が上がっていると聞きました。私は、今回の統一地方選挙の県に対する政策課題として、本日、多数お越しになっている後援会の皆さんや住民の皆さんへ、この特別徴収の一斉指定の導入を図るべきだと一番最初に取り上げ、伝えてきました。そんな中、3月24日の上毛新聞で、「平成29年度から一斉指定を開始する」と知り、ぜひ順調に開始に向けて取り組んでいただきたいと思っている立場の一人であります。
〔資料提示〕なぜならば、パネルで説明をしたいと思います。こちらのパネルは、給与所得者に対する特別徴収の実施率、そして、収入歩合の推移であります。収入歩合は個人の県民税のベースになっております。下が全国比率、上が群馬県という形になっております。まず、ピンクの部分の現年度の収入歩合であります。平成22年度を見ますと、全国の平均が97.4%、群馬県が97.6%で、3.5ポイント、群馬県のほうが低下しております。平成23年度、平成24年度、平成25年度、平成26年度と、ほぼ同じか、もしくは若干全国平均より上回っている状況でございます。一方で、特別徴収に対する実施率でありますけれども、平成22年が、全国の平均が70.9%、そして、県の平均が67.4%、こちらで3.5%の差があります。徐々にそれが平成23年、24年、25年、26年と推移していきますけれども、最終年度の平成26年におきましては6.1%低くなっている、そういう状況でございます。現年分の収入歩合は、先ほど申し上げたとおり、全国平均以上でありますので、29年度から給与所得者を対象にした個人県民税の特別徴収の一斉指定をすることにより、この特別徴収の実施率が向上し、その結果、現年分の収入歩合が向上し、さらなる自主財源の確保が図れると推測されます。
そこでまず、平成29年度に向けた検討状況や周知状況、また、実際の課税や徴収を行うのは市町村でありますので、市町村に対する支援についてお伺いしたいと思います。

〇深代敬久総務部長
それでは、お答えいたします。
個人住民税の特別徴収の一斉指定についてでございますが、個人の住民税には、個人の県民税と個人の市町村民税がございまして、両者を合わせて市町村において賦課徴収していただいているところであります。納税方法に関しましては、事業主が従業員の給与から天引きをし納税する特別徴収と、納税者が市町村から送付される納税通知書に基づき納税する普通徴収との2種類がございますが、所得税を源泉徴収する義務のある事業主は、法令で特別徴収が義務付けられているところでございます。しかしながら、制度発足当初は普通徴収と特別徴収が選択制であったことから、本県においても、特別徴収が必ずしも徹底されていないという実情がございます。
こうした中で、これまで本県では、特別徴収を実施していない事業主に対して、市町村と連携し、切りかえの依頼を行ってきたところでございますが、要請による切りかえには限界があること、また、全国的には一斉指定をする動きが加速していることなどを踏まえまして、昨年9月に県内全市町村と県が参加するワーキンググループを設置し、導入に向け、精力的な検討を行ってまいりました。その結果、今年の2月に、平成29年度から一斉指定を実施することについて、全市町村の合意が得られたところでございます。
県といたしましては、これらが円滑に導入が図れますように、引き続きワーキンググループを開催し、各種様式の統一化や、チラシ・手引の作成を行うなど、事業主に対して、全ての市町村が統一的な対応ができますように、事務手続き上の調整を行うとともに、一斉指定実施に伴う課題や対応策などについて、先進地の情報提供などに努めてまいりたいと考えております。また、一斉指定を確実に実施していくためには、事業主に対する周知・広報が非常に重要でございます。また、市町村からも強い要望が寄せられているところでございますので、県といたしましては、率先して税理士会や法人会等をはじめとした関係団体に対する協力要請を行うとともに、税務署等が行います事業者向け説明会など、様々な機会を通じて周知・広報に努めてまいりたいと考えております。

〇大和 勲議員
ありがとうございます。今、市町村に向けて、十分な周知ができるように取り組んでいただいている、また、各種団体に働きかけていただいているということでございました。
一斉指定をした場合、どのような効果があるか。特に今申し上げましたとおり、税収面においては、徴収率が向上し、税収の増加が期待できると思いますが、実際にどのくらいの額になるか、数値が出ているようでしたら、お答えいただけますか。

〇深代敬久総務部長
一斉指定の実施に伴う効果でございますが、特別徴収は、事業主が従業員の給与から天引きし納税する制度でございますので、議員御指摘のとおり、普通徴収に比べて徴収率が高く、税収の効果が上がるというふうに考えております。また、納税者にとりましては、毎月給与から天引きされることから、年4回納めていただく普通徴収に比べまして、1回当たりの負担額が少なく、また、納め忘れを防げるといった効果もあると考えております。
税収の増加という点でございますけれども、既に一斉指定を導入した県を見てみますと、徴収率が0.4ポイントほど向上していることがございます。これに沿って、ワーキンググループの試算によりますと、市町村民税で3.4億、県民税で2.2億、合わせて5.6億程度の増収が期待できるというふうに見込んでおるところでございます。

〇大和 勲議員
ありがとうございます。年間で市町村と合わせて5.6億円の効果が期待できるということです。これは毎年このような同額の効果が期待できますので、ぜひ29年度の導入に向けて、積極的に準備を進めていただきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。次に、(1)の(2)として、外国人の徴収率の向上についてお伺いします。
外国人の収納率は、言葉の問題や納税の仕組みなどの違いで、相対的に低いと言われております。実際、私は、平成24年12月の市議会一般質問で伺ったところ、当時の普通徴収分で比較すると、おおむね40%近くになっていると答弁をいただきました。
〔資料提示〕このパネルは、本年7月19日の上毛新聞に掲載された平成26年度末の県内市町村の外国人居住実態の表を上位から15番目まで入れた表になっております。一番左が自治体名、次が外国人の割合、次が外国人の方の住民数になっております。この中で、一番人口が多いのが伊勢崎市の1万人強でございます。続きまして太田市の8,128人、そして大泉町の6,377人、構成比で15.6%、割合としては大泉町が一番多い割合になっております。また、東毛の千代田町が構成比で2.4%、館林市が2.3%の1,819人ということで、ある特定の市町村に外国人の比率が高いことから、県の支援も必要と思いますが、市町村と連携した今までの取り組み、今後の対策についてお伺いしたいと思います。

〇深代敬久総務部長
議員御指摘のとおり、日本の生活に不慣れな外国人にとりましては、言語の違いなどから、日本の税制度が理解できず、滞納となるケースがあり、市町村においても、県においても、大きな課題となっております。そのため、外国人登録者が多い県の東部、あるいは中部地域の市町及び県の行政県税事務所では、担当課長で構成いたします「地区地方税対策会議」等を通じまして、情報の共有や対応策の検討を行っているところでございます。
具体的な対策といたしましては、行政県税事務所におきましては、外国人の方に制度をしっかりと理解していただくために、県税と市町村税につきまして解説したパンフレットをポルトガル語、スペイン語、英語、中国語、ベトナム語などで作成し配付するほか、地元の外国人向けの情報誌等への掲載を依頼するなど、県と市町が連携して、周知・広報に取り組んでおります。さらに、個人住民税に関しましては、先ほど御質問のございました特別徴収の一斉指定によりまして、事業主が従業員の給与から天引きし納税することになることから、日本語が理解できず、納め忘れてしまうといったケースを回避できますので、納税滞納の防止に効果があるというふうに考えております。
外国人の徴収対策は市町村及び県の共通課題でございますので、引き続き「地方税対策会議」等を通じまして、検討・協議を行っていくとともに、平成29年度からの一斉指定の確実な実施に向けて、連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。

〇大和 勲議員
答弁ありがとうございました。市町村と県の共通課題だということでございます。それと、一斉指定をすることによって、やはり徴収率が上がってくるというようなお話があったと思います。また、この後、6の(2)で外国人に対する教育についても取り上げたいと思いますので、ぜひまた教育の部分につきましても、部局は違いますけれども、私も取り組んでいきたいと思っております。
次に、2の(2)未利用地等の処分についてお伺いしたいと思います。
10月に行われました決算特別委員会総務企画分科会で、27年4月1日現在の未利用地と建物について質問をさせていただきました。答弁では、土地が57カ所、35万平米、資産価値は107億7,000万円、建物が18カ所、7万1,000平米で、17億5,000万円との答弁でありました。つまり、土地、建物合計で125億円の未利用地などがあるわけです。この処分を迅速に行うことが自主財源の確保につながると思います。
そこで、今までの取り組み実績と今後の未利用地などの縮減に向けた取り組みについてお尋ねしたいと思います。

〇深代敬久総務部長
県の未利用地等については、「未利用地等の有効活用、管理及び処分に関する基本方針」を定めまして、それに基づき、まず第1に、県における活用、2番目に、国または地元市町村への売却、最後に、民間への売却という順で検討を行いまして、早期の処分に努めているところでございます。
お尋ねの取り組み実績でございますが、直近3年間でお答え申し上げますと、平成24年度に12カ所、平成25年度に8カ所、平成26年度に8カ所の売却処分を行いまして、3年間の合計で12億9,956万円の売却収入を得ております。今年度におきましても、10月までに4カ所の売却処分を行い、4,727万円の収入を確保したところでございます。
次に、未利用地等の縮減に向けた取り組みでございますが、民間の売却におきましては、インターネットオークションの仕組みを活用することによりまして、多くの人が入札に参加しやすい環境を整えております。また、広く情報を周知することが重要でございますので、売却中であることを表示した現地看板の設置、あるいはホームページや広報媒体によるPR、住宅展示場などにおけるチラシの配布、不動産事業者への案内などによりまして、その周知に努めているところでございます。さらに、今年度からはメールマガジンでの情報発信や地元情報誌への掲載を新たに開始したところでございます。また、売却以外の取り組みといたしましては、それまでの暫定的な収入確保策として、1年以内の土地の貸し付けというものを行ってきたところでございます。今年度からは、さらに、高崎市の県有地におきまして、時間貸し駐車場用地として民間事業者に3年間の期間で貸し付けるなど、ニーズを踏まえた取り組みも行っているところでございます。今後も、様々な手段・方法によりまして、情報の提供・収集に努め、未利用地等の早期処分と有効活用に積極的に取り組み、維持管理経費の削減、自主財源の確保に努めてまいりたいと考えております。

〇大和 勲議員
未利用地の処分について一生懸命取り組んでいただいているということが認識できました。
以上で、自主財源の確保についての質問は終わりにしたいと思います。
総務部長、ありがとうございました。

 

 

■3の質問

〇大和 勲議員
それでは、3番目として、「出るを制する」方法として、民間活力を利用した経費削減についてお伺いしたいと思います。
まずは、県有施設にESCO事業を積極的に利用し、経費の削減を図る考え方についてお伺いしたいと思います。
ESCO事業には2通りの契約方式があり、今回は事業者が資金調達する民間資金型のESCO事業について説明したいと思います。この事業は、県が設備更新の初期投資をせず、既存庁舎を民間の資金とノウハウで省エネルギー化改修をします。省エネルギー化による光熱水費の削減分で、改修工事に関わる経費等を償還し、残余を本県とESCO事業者の利益とする事業であります。
〔資料提示〕簡単にパネルで説明をしたいと思います。ESCO事業実施前であります。光熱水費がこちらの金額がかかっているというような想定の図になっております。ESCO事業を実施する、具体的に言いますと、照明にLEDを取り付ける、また、エアコン等々を取り付けて、省エネルギー化の設備を更新する、入れていくということでございます。そうすることによりまして、省エネルギー化が図れますので、光熱水費はこういう形で下がっていきます。そして、その余った分をサービス事業者に初期投資分、また金利分、そして業者の利益ということで支払います。残った分が県のメリットになるというような流れでございます。そして、この契約に関しましては、いろいろあるようですけれども、契約期間を終了した場合は、サービス事業者にサービス料を支払う必要がありませんので、県のメリットが丸々あるというようなことがこのESCO事業の手法になっているところでございます。この手法は、民間の資金を活用することで初期投資が不要であることに加え、光熱水費削減の枠内で改修費用を補うため、実質的な後年度負担もなく、1つ、省エネルギー化により光熱水費の削減、2つ、CO2排出量削減で地球温暖化に有効、3つ、省エネ器具に更新できるとともに、民間にビジネスを提供するといった一石三鳥の効果が期待できます。
そこでまず、(1)として、本県でESCO事業を採用した総合交通センター、生涯学習センター、自然史博物館について、事業内容と実績・効果についてお伺いしたいと思います。

〇青木 勝環境森林部長
ESCO事業の導入実績についてでありますけれども、この事業は、今御質問にもありましたけれども、民間の資金やノウハウを活用して、県有施設の省エネ改修を行って、長期間にわたって、その効果が保障されるといった多くのメリットが認められる事業であります。県でも条件が整ったところから順次導入を検討してきておりまして、今お話がありましたように、平成23年度に総合交通センター、平成24年度に生涯学習センター、そして、平成26年度に自然史博物館において導入をしたところであります。
それぞれの事業内容についてでありますが、総合交通センターにつきましては、今御説明がありましたけれども、施設改修費用を全て民間資金で賄う、いわゆる「シェアード・セービングス方式」という方式でありますけれども、これによって実施いたしまして、契約期間は15年間でございます。生涯学習センターは、施設改修費用を県が負担する、これは「ギャランティード・セービングス方式」と言われておりますけれども、この方式によりまして、6年間の契約期間。そして、3番目の自然史博物館は、総合交通センターと同じく「シェアード・セービングス方式」で、13年間の契約期間ということで実施をしているところであります。
この事業導入の効果についてでありますけれども、平成26年度の実績で申し上げますと、3施設の合計で、電気料金などの光熱水費は、事業を実施する前に比べて1億4万3,000円削減されました。これからESCO事業者に支払うサービス料を差し引いても、1,943万円が県のメリットとなったところであります。また、御質問にもありましたけれども、この省エネ効果につきましては、3施設の平均で45%の削減となっておりまして、二酸化炭素排出削減効果も1,112トン。この数値は、平均的な家庭、約230世帯の1年分の二酸化炭素の排出量に相当する量でありますけれども、こういった量に達しておりまして、いずれの事業も順調に推移をしてきております。

〇大和 勲議員
経費の削減効果も1億、実質で2,000万というような話だったと思います。また、排出量の効果も非常にあるということでございまして、そういった意味でも、これからESCO事業に積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っておりまして、次の質問に移りたいと思います。
本県の平成27年版環境白書22ページ記載によりますと、平成20年度、平成21年度に一定規模の県有施設9施設にESCO事業の導入可能性調査を実施し、先ほどの3施設に導入したとあります。20年度、21年度と比べ、照明などの器具の進歩も進んでいる状況や、東日本大震災以来、電気料金が高くなっている状況を踏まえ、残り6施設への導入、また、新たな施設にESCO事業を取り入れる考え方についてお伺いしたいと思います。

〇青木 勝環境森林部長
6施設を含めて、今後のESCO事業の取り組みについてでありますけれども、このESCO事業というのは、条件が整えば、県有施設の省エネ改修の手法として極めて有効でありますことから、県では、先進的な大阪府などの事例も参考にしまして、これまで全県有施設――調査時に617施設ありましたけれども――を対象にして、「省エネルギー改善可能性調査」を実施いたしまして、ESCO事業の導入可能性について研究を行ってきたところであります。その結果を踏まえて、平成20年度から平成21年度にかけて、今お話がありましたエネルギー消費量の多い9施設を対象に、詳細な「ESCO事業導入可能性調査」を実施いたしまして、導入体制が整った施設から順次事業の導入をしてきているところであります。
先ほど答弁で申し上げましたとおり、これまでESCO事業を導入いたしました3つの施設につきましては、大変良好な結果が得られておりますので、県では、今後も可能性のある施設について、積極的に検討を進めてまいりたいと考えております。
特に議員から御指摘がありましたけれども、省エネ技術は日進月歩であります。また、近年、電気料金が値上がり傾向にあるということでありますので、ESCO事業の導入可能性は広がってきているというふうに考えております。既に調査済みでありますこの6施設につきましても、改めてこういった状況を踏まえて、導入の可能性をさらに精査してまいるとともに、それ以外の施設につきましても、可能性の高いものから順次計画的に検討を進めていきたいというふうに考えております。

〇大和 勲議員
答弁ありがとうございます。
先般、大阪府の公共建築室設備課のほうに訪問して、お話を伺ってまいりました。その中では、施設で24時間照明をしている例えば警察署・病院などは、非常にESCO事業の効果があるとお聞きしました。また、学校の照明などは、1校では民間事業の規模もメリットがなくて手が挙がらないということでございますが、複数の学校をまとめて提案することによって事業化が可能になるというようなお話もいただきました。ぜひ部長のほうから他部局に積極的に働きかけていただきますよう要望して、この質問は終わりにしたいと思います。
どうもありがとうございます。

 

■4の質問

〇大和 勲議員
次に、4として、働き方の工夫による時間外勤務、いわゆる残業の縮減についてお伺いしたいと思います。
本県は、平成17年から平成22年に及ぶ「集中改革プラン」において、4,557名の職員を560名削減し、3,997名にしたと聞き及びました。大変な御苦労があったと推察されます。その結果、平成26年度の決算によると、行政部門の人件費は342億円で、構成比は5%になっています。一方、残業の縮減は、職員の士気向上、仕事の効率化、職員のワーク・ライフ・バランス上、重要であると思います。
そこで、(1)として、ここ5年間の時間外勤務の推移・要因と今までの削減取り組みについてお伺いしたいと思います。

〇深代敬久総務部長
時間外勤務の5年間の推移でございます。知事部局における5年間の推移についてお答えさせていただきますが、職員当たりの月平均の時間外勤務が、平成22年度10.4時間、23年度が10.3時間、24年度は9.2時間、25年度が10.1時間、26年度は10.4時間というふうになっております。過去5年間で見ますと、平成24年度までは時間外勤務を減少させてきたところですけれども、25、26年度においては増加に転じた状況でございます。その主な要因としては、25年度は前年度末の国の大型補正予算がございまして、それに伴う公共事業費の増加、あるいは2月に発生いたしました歴史的な大雪への対応などが原因として考えられます。また、26年度も、引き続きその大雪に伴う農業関係の復興事業への対応、さらには、冬季国体の開催なども影響したのではないかというふうに考えております。
これまでの時間外縮減への取り組みでございますけれども、毎年度当初に各所属に通知を発出いたしまして、会議や資料の見直し、ノー残業デーの徹底などを周知いたしまして、時間外勤務の縮減を呼びかけてまいりました。また、各所属においては、時間外勤務縮減に向けました取り組み計画を作成のうえ、四半期ごとに進捗状況を確認しながら、縮減に向けた取り組みを進めてきたところでございます。
時間外勤務の縮減は、職員の健康確保、ワーク・ライフ・バランスの推進並びに女性職員の活躍推進などの観点からも重要な課題でありますので、様々な工夫をしながら、その縮減に向けた取り組みを推進してまいりたいというふうに考えております。

〇大和 勲議員
いろいろな要因があって残業があるという部分と、また、いろいろな取り組みをしていただいているということも理解できました。しかしながら、25、26年度と時間外勤務が増えているというような状況でございますので、やはり新しい働き方の工夫が必要だというふうに私は思います。
そこで、(2)として、本庁で本年8月2日から29日に実施されました新しい働き方、「夏の早出勤務」の実績・効果と今後の方向性についてお伺いしたいと思います。

〇深代敬久総務部長
「夏の早出勤務」についてでございますが、本県では、ワーク・ライフ・バランスの実現、時間外勤務を前提とした働き方の見直し、効率的な業務推進の徹底を目的といたしまして、議員から先ほどお話がございましたように、8月2日から29日までの間、1週間単位で希望を募りまして、1日の勤務時間を1時間または30分前倒しします「夏の早出勤務」を試行したところでございます。実施期間中におきましては、早出勤務を行った職員は原則として定時退庁することとしたほか、各所属においては、夕方に会議時間を設定しない等の取り組みの徹底を図ったところでございます。
その実績及び効果でございますけれども、知事部局においては、交代制勤務職場や育児休業中の職員を除きました3,805人中、402人が実施いたしました。実施率は10.6%という状況でございました。早出勤務を実施いたしました職員の98.9%が定時退庁したという結果が出ておりまして、時間外勤務を前提とした働き方を見直すという点において、一定の効果があったのではないかというふうに考えております。
実際に早出勤務を行った職員を対象といたしましたアンケートによりますと、約4分の3の職員が有意義だったというふうに回答しております。「就業時間を意識して業務に取り組んだ結果、仕事にめり張りがつき、集中して取り組めた」とか、「趣味の時間や家族との団らんの時間を増やせ、充実した時間を過ごせた」といった感想が寄せられました。一方で、なかなか早く帰ることが、皆さんが一緒に帰らないので、「やや気が引けた、あるいは後ろめたさも感じた」というような御意見もございました。また、所属自体を対象としたアンケートでは、「勤務時間内で仕事を完了する意識が徹底され、その雰囲気が所属全体に行き渡った」、「各自が時間の有効活用を考えるきっかけになった」などの意見があった一方で、「窓口業務のある職場では、円滑な業務運営にやや支障がある」、あるいは「1週間単位ではなくて、1日ごとの実施を認めてほしい」といったような意見もございました。今回の実施結果をさらに検証して、今後の実施なども含めて十分検討してまいりたいというふうに思っております。

〇大和 勲議員
答弁ありがとうございます。期間中は基本的には残業がないような取り組みをしたということ、それと、アンケートの中では、4分の3の方が有意義と感じたというようなお答えだったと思います。ぜひ来夏も取り入れていただいて、また、他部署にも働きかけていただく、そのような取り組みをしていただきたいと思います。また、今回は、総務部長もいろいろと忙しいようで、この早出勤務ができなかったというようなことを聞いておりますけれども、ぜひ司令官として、司令塔として実施していただいて、多くの部署、また、職員の皆さんに働きかけていただきたいと要望をさせていただきたいと思います。
次に、(3)のテレワークの導入については、時間の都合がありますので、総務企画常任委員会のほうで取り上げさせていただきたいと思います。
総務部長、どうもありがとうございます。

 

 

■5の質問

〇大和 勲議員
次に、5番目として、「健康経営」についてお伺いしたいと思います。
「健康経営」とは、いわゆる財務体質が良い健全経営と違い、社員の健康の維持増進が業績向上につながるとし、健康づくりに積極的に取り組む経営スタイルであります。生活習慣病の増加や作業効率の低下など、また、欠勤や事故を引き起こし、業績悪化につながるなど、健康保険組合が負担する医療費も増大することから、経済団体も健康対策に力を入れ始めたようであります。将来的に日本国内の医療費を適正にしていくためには、国民健康保険対象者のみに目を向けるのではなく、全包囲網で、各年代・各団体が健康を気遣い、増進を図ることが求められると思います。
そこで、本県から県内の企業へ「健康経営」の普及を行うことについて、いかに考えているか、お伺いしたいと思います。

〇塚越日出夫健康福祉部長
「健康経営」についてのお尋ねでありますけれども、高齢化が急速に進展する中、生活習慣や疾病構造の変化に対応した健康増進への取り組みがより重要になっていると考えております。このような中、議員の御指摘のとおり、企業が成長するうえで、積極的に従業員の健康づくりに投資する「健康経営」という手法が注目をされているところでございまして、県内の企業への普及につきましては、県民の健康増進、あるいは医療費の適正化に大いに寄与するものであるというふうに考えております。
「健康経営」を普及させるためには、健康保険組合などの保険者や企業によるデータヘルス計画の推進が必要であると考えております。データヘルス計画は、従業員のレセプトや健康診査などのデータ分析に基づきまして、保険事業をPDCAサイクルで効果的に実施するための事業計画であります。そして、従業者の健康改善と医療費適正化を推進し、企業の生産性及び社会的評価の向上を目指すものでございます。県といたしましては、健康保険組合などの保険者と連携いたしまして、企業が「データヘルス計画」に基づいた保険事業の実効性を高めることができるよう、保険事業従事者の人材育成や情報提供などの支援を行っているところでございます。また、県では、県内の中小企業約2万6,000事業所が加入しております全国健康保険協会群馬支部と健康づくりの推進に向けた包括的な連携に関する協定を今年度中に締結し、県内の中小企業の健康経営に向けた取り組みへの支援を行うことを予定しております。
今後も、県内の企業におきまして、それぞれの企業に応じた「健康経営」が展開されるよう、健康情報の共有や健康づくり事業を協働して行うとともに、その効果を企業にとどまらず、県全体としての健康増進、健康寿命の延伸につなげてまいりたいというふうに考えております。

〇大和 勲議員
医療費の適正化の中で、「健康経営」を普及していくことに、今部長から積極的に取り組んでいきたいというような答弁がありました。私は、お隣の栃木県と協会けんぽの栃木支部、それと足利銀行さんの取り組みで、健康指標のランク付けで「健康経営」をやっているところは、足利銀行さんが1%金利を下げましょうというような取り組みをしていると聞きました。このように、やはりインセンティブや優位性が必要だと思いますので、ぜひいろいろな部門、また、団体に働きかけをいただいて、医療費の適正化に向けて、「健康経営」の普及に取り組んでいただければと思います。
どうもありがとうございます。

 

■6の質問

〇大和 勲議員
次に、大きな6、教育について2点お伺いしたいと思います。
1つ目は、高校生の主権者教育についてであります。
御案内のとおり、来夏の参議院選挙から18歳以上の参政権が認められました。このことに関しては、多くの若者が政治に興味を持ち、自分たちの未来に対して責任を持つといった点でも評価をしている一人であります。また、若者が投票に前向きになると、家庭内で話題になり、中高年の方々も刺激を受け、投票率向上が期待できると言われています。その一方で、教師の政治的中立性の確保や生徒の選挙違反防止などで、主権者教育は取り扱いづらいと言われている中、教師や学生のための副読本「私たちが拓く日本の未来」が作成されました。それがこの冊子になっていると思います。
そこでまず、(1)副教材「私たちが拓く日本の未来」について、教育長の所見をお伺いします。また、その配布方法・活用方法についてもお尋ねしたいと思います。

〇吉野 勉教育長
今紹介いただきました主権者教育のための生徒向けの副教材及び教師用指導資料を国が作成したことは、各学校が主権者教育を進めるうえで指導のよりどころとなりますので、意義深いものと考えております。この生徒向け副教材は、解説編においては、政治の仕組みや意義、選挙の実際について解説をし、実践編におきましては、話し合いやディベート、模擬選挙などの実践的な学習活動を紹介する内容となっております。この副教材を有効に活用することで、国家、社会の形成者として求められている力、すなわち、論理的思考力、公正に判断する力、協力しながら問題を解決する力などに加えて、公共的な事柄に自ら参画しようとする意欲や態度、こうしたものを身に付けさせたいと考えております。
次に、副教材の配布についてのお尋ねですが、12月中旬までに国から直接各学校へ冊子が送付され、高校生全員に渡ることとなっております。また、副教材の活用方法ですが、教育活動全体を通して、計画的に活用することが必要であると考えております。授業としては、公民科の現代社会や政治経済において、選挙や政治参加に関する内容を学習する際に活用することが効果的であると思います。また、総合的な学習の時間やホームルーム活動におきまして、投票と選挙運動等について指導したり、模擬選挙を実施したりすることも考えられます。県教育委員会では、管理職を対象に、生徒用副教材を活用した政治的教養の教育や生徒による政治的活動等についての説明会を近日中に開催し、各学校で適切に主権者教育が行われるよう、徹底を図ってまいりたいと考えております。

〇大和 勲議員
答弁ありがとうございます。
この副教材の中の101ページに、学校における政治的中立の確保というのがあります。これを一番最初に取り上げて、生徒にも政治的な中立性があるんだというようなことを知っていただきながら、いろんな部分で活用していくという考えもあると思いますが、教育長はその点についてどのようにお考えか、答弁をお願いします。

〇吉野 勉教育長
お尋ねの副教材に盛り込まれている内容をどういう順序で扱うか、これにつきましては、今お話があった学校における政治的中立性の確保も含めて、学校や生徒の実態に応じまして、年間の指導計画に適切に位置付けて、計画的に取り扱うよう指導してまいりたいと考えております。

〇大和 勲議員
ありがとうございます。
そうしましたら、次に、6の(2)外国人教育についてお伺いをしたいと思います。
〔資料提示〕先ほどのパネルで説明したように、本県の外国人の住民の方は平成26年度末で県人口の2%を超える4万2,300人以上の方が暮らしております。人口に対する外国人の方の割合は都道府県別で5位と上位に位置していると記載がありました。また、同じく9月29日付で上毛新聞では、県内外国人のうち、15歳未満の人口は5,490人で、割合は13%を超え、3年連続1位であることが総務省の調べで明らかになりました。実際、私の地元の小学校では、運動会において、諸注意を日本語を含めて6カ国語で説明していました。グローバル化の社会の中で、多様な国籍の子どもが在学していることは、現代社会を知るうえでも大変有意義であり、また、少子化で労働力が減少すると予測される中、成人外国人の方々は貴重な人材と捉えることができます。しかし、一方で、前述した納税などについては、言葉の難しさや異文化といった観点から、多少課題があるように思います。
そこで、(1)として、小学校や中学校の外国人児童・生徒に対する県としての日本語指導に関わる教育支援についてお伺いしたいと思います。

〇吉野 勉教育長
現在の状況を最初にちょっとお話ししますけれども、県内の小中学校には約2,300人の外国人児童・生徒が在籍しており、そのうち、日本語指導を必要としている児童・生徒は900人を超え、母国語はポルトガル語やスペイン語、ベトナム語など、7カ国語以上に上っております。
県教育委員会では、日本語指導を必要とする外国人児童・生徒への指導や支援が充実するよう、県内の小中学校46校に日本語指導を行う教員を特別に62名配置しております。配置された学校では、これらの教員が中心となり、日本語指導教室を開設し、一人ひとりの日本語能力に合わせて日常会話の指導を行うとともに、国語や社会など、外国人児童・生徒にとって理解の難しい教科の指導を少人数で行ってもいます。また、こうした教員が教室に出向き、担任と協力しながら、学習の支援を行うなど、児童・生徒の状況に応じた日本語指導を行っているところでございます。これらの指導によりまして、日本語の習得が促進され、言葉が通じないとか授業がわからないなどの不安や悩みが徐々に少なくなり、学校生活への適応につながっているところです。また、日本語指導に当たる教員の指導力の向上を目指して、研修会を実施し、一人ひとりの子どもの状況に応じた指導計画の立て方や、学校全体で外国人児童・生徒を支える指導体制のあり方などについても指導を行っています。
外国人児童・生徒が地域社会の中で成長し、社会を支える人材として活躍していくためにも、日本語の習得を支援し、学校生活を充実させることが重要であると考えており、今後も児童・生徒一人ひとりのニーズに合ったきめ細かな日本語指導の充実に努めてまいる所存でございます。

〇大和 勲議員
いろんな支援があることを承知しました。伊勢崎市の教育長さんも、大変支援をいただいて、ありがたいというようなお話もいただいております。予算的なこともあると思いますけれども、今申し上げましたとおり、外国人の児童・生徒の日本語指導をぜひ手厚くしていただきますよう要望して、そして、(2)の太田フレックス高校につきましては、質問したかったんですけれども、ちょっと時間がないので要望とさせていただきますけれども、先般、私も行ってきましたけれども、この高校では、17カ国籍の子どもたちが在籍をしているということでございました。学習指導要領上に日本語学習の授業が設定できないというようなことも教えていただきました。しかしながら、現状は、やはり先生方も非常にお困りになっているというふうに推察しましたので、いろいろなサポートの仕方があると思いますので、ぜひその辺のサポートも充実していただきますことを要望して、この質問は終わりにしたいと思います。
教育長、どうもありがとうございました。

 

■7の質問

〇大和 勲議員
最後に、7、保育士確保についてお伺いしたいと思います。
〔資料提示〕政府が目指す「一億総活躍社会」にするためには、安心して子どもを産み育てられる環境整備が必要となっていると思います。このような環境づくりを目指す中、県内保育園においては、今年度から保育士不足が指摘されております。実際、平成27年3月策定の「ぐんま子ども・子育て未来プラン」16ページ、17ページに示されております。その数値を抜粋したものがこちらの表になります。群馬県の保育士の需要バランスと不足数の予測であります。こちらに関しましては、本来でしたら、国の基準によりますと、1歳児のお子さんは1人の保育士が6人を見るというような条件になっていますが、県のほうが補助をしていただいて、1歳児のお子さんは5人を1人の保育士が見るというような温かい支援をいただいているのは十分承知しているところでございます。そして、その中で、策定当時、将来的に保育士さんが従事する人数をこちらのほうに掲げてありますけれども、平成27年度は6,576人というような数値になっております。そして、最大限必要な数というのは、今申し上げました、1歳児のお子さんを1人の保育士が5人見るということを勘案した最大限の必要数であります。それが6,989人ということで、不足分が413人になるんじゃないかというような予測がされております。平成28年度から31年度に向けて、少子化の兼ね合いもありますので、少しずつ人数も減っておりますけれども、実際問題、不足が予測をされるというのがこのグラフになっております。また、先般、伊勢崎市私立保育園会さんからも、伊勢崎市選出の5県議宛てに、年度途中の入園児に対応する保育士の確保の要望をいただいております。
そこで、本県の保育士確保策についてお伺いしたいと思います。また、神奈川県等では、通常、年1回の保育士試験に加え、地域限定保育士試験を始めるようですので、その考え方についてもお伺いしたいと思います。

〇中村弘子こども未来局長
「子ども・子育て未来プラン」での保育士不足についてのお尋ねでございました。確かに表を見ていただくとおりの結果になっておりますけれども、この表につきまして、見込み数につきましては、実は27年度以降、幼稚園から認定こども園に移行する施設の従事者数の変動は考慮されていないものとなっております。現在、幼稚園教諭は、その大半が保育士の免許も所有しております。このため、保育の必要量の多い地域では、幼稚園から認定こども園に移行することで、それぞれ地元の保育需要の受け皿となることが期待されておりますとともに、その園の幼稚園教諭が保育教諭として新たな保育人材となりますことで、保育士不足のかなりの数の緩和が期待できるのではないかと考えております。
一方で、議員御指摘のとおり、市町村や保育現場からは、保育士の確保が難しいという声も聞いておるところでございます。県でも、いわゆる潜在保育士、保育士登録をしていらっしゃるものの、子育て等で保育園に勤務していない方に対して、研修を今年度から始めさせていただいております。こうしたことで、再就職の支援、職場復帰の動機付け等を行えればと思っております。また、保育士を目指す学生や、そういった潜在保育士を対象に、2月に「保育フォーラムin Gunma」を開催いたしますので、あわせて保育施設への就職を進めていければと考えております。
また、保育士試験につきましては、現在、年1回の通常試験となっておりますけれども、これを来年度から2回実施できますよう、県として国へ要望しておるところでございまして、保育士の資格取得の機会を拡大できればと考えております。

〇大和 勲議員
ありがとうございます。状況が若干変わりましたというのも理解することができました。
先般、県内の保育士の人材派遣会社の大手の社長さんとちょっとお話をしました。現場では保育士不足が言われておりまして、どういう理由なんでしょうかということで尋ねましたけれども、1つはやはり保育士の処遇改善ということで、非常に財政が厳しい中であるんですけれども、やはり保育士の処遇改善をしていかなくてはいけない、いってもらいたいというような話が1つ。もう1つは、そこの社長さんが言うには、全国で12の事業所を運営しているようでございまして、有資格者の保育士の登録数が3万5,000人いるんだと。しかしながら、実際、働いている方は2,000人しかいませんよと。その理由とすると、やはりちょっと緩い働き方を求めている保育士さんもいるんだということでございます。具体的には、4時間勤務ですとか5時間勤務ですとか3時間勤務ですとか、また、週に3回休みたいというような御意見もあるんだと思います。そういった中で、制度上、短時間保育士の活用というのがあるかと思いますけれども、この運用方法が新制度になって少し変わったということで、国と県と市町村がうまく連絡がとれていないようなことも聞いておりますので、ぜひこの辺をしっかり徹底していただきまして、短時間保育士を活用して、保育士不足が解消できるような取り組みをしていただきたいというふうに思っております。
それともう1つ、今局長さんのほうから、来年度は試験を2回、いわゆる地域限定保育士試験をするような働きかけをしたいということだったと思います。2013年度では、保育士の試験というのは17.4%とあまり高くないわけであります。しかしながら、これは3年間有効なんですけれども、保育士資格を取りたいという方が一生懸命勉強していて、3年間で期間が無効になってしまうというようなケースもありますので、ぜひ2回行っていただいて、多くの保育士を輩出できるような環境もつくっていただきたいというふうに要望して、この質問は終わりにしたいと思います。(拍手)