令和5年度 産経土木常任委員会(企業局関係)

6月5日(月)企業局関係

◆大和勲 委員

平成26年度からの企業局産業団地の分譲状況について伺いたい。

◎小柏 分譲室長

平成26年度からの企業局産業団地の分譲件数、分譲面積だが、平成26年度5件、約5.7ha、平成27年度6件、約13.8ha、平成28年度11件、約37.4ha、平成29年度9件、約27.0ha、平成30年度6件、約11.7ha、令和元年度6件、約26.6ha、令和2年度3件、約5.4ha、令和3年度6件、約23.8ha、令和4年度1件、約5.6ha、平成28年度の11件、約37.4haをピークとして、分譲件数は年平均約6件、分譲面積は年平均約17.4haで推移している。

◆大和勲 委員

令和5年度以降の分譲面積の予定はどうか。

◎中川 団地課長

企業局の第2次経営基本計画で、令和3年度から12年度までの10年間に、約250haの開発に取り組むこととしており、当面の目標として、令和7年度までの5年間に、約120haの開発を進めていきたいと考えている。今後も、県の企業誘致推進本部により選定されたポテンシャルの高い新規開発地点の早期事業化を図るとともに、社会経済の変化を踏まえ、市町村や企業の新たなニーズへ柔軟に対応し、市町村当局と連携しながら地域特性を活かした団地開発に取り組んでいきたい。

◆大和勲 委員

令和4年度の決算速報値について説明があり、企業局全体としては経常利益が前年度に比べて増加しているようだが、販売数が少ない団地事業については、経常利益が前年と比べて大きく減少している。許認可等の関係で困難な面もあると思うが平準化に努めてほしい。
工業用水道事業の契約件数を増加させることは、企業局の利益につながると考えており、一般質問や決算特別委員会での総括質疑においても取り上げているところである。令和4年度は契約件数1社、令和5年度は3社との契約を予定していると聞いているが現状はどうか。

◎青木 水道課長

渋川工業用水道の契約状況については、8事業所及び渋川市上水道へ原水給水を行っており、設備利用率は94.3%である。今後、管路の強靱化を行ったうえで、受水企業への営業活動を行い、さらなる設備利用率の増加に努めていく。次に、東毛工業用水道における契約状況は、令和4年4月に1事業所、更に令和5年2月に1事業所の新規契約があったことから、令和4年度末時点では前年度と比較して、2事業所増え99事業所となっている。設備利用率は0.1ポイント増加し、65.4%となった。
昨年の決算特別委員会で説明した令和5年度における新規契約予定3社については、令和4年12月に打合せを実施したところ、給水開始時期の見直しや新工場計画の見直し等により新規契約には至っていない状況である。一方で、板倉町内にある既存の工業団地へ進出する1社と新規契約し、今年7月に給水開始を予定している。東毛工業用水道は設備利用率が低いなかでも利益を上げているが、安定した経営を行うため、引き続き営業活動を行い、契約水量の増量に努めたい。

◆大和勲 委員

伊勢崎市内の工業団地予定地について、地元から相談を受けている場所がある。県の団地造成のノウハウを利用して早めに造成できれば、東毛工業用水の契約率を上げる可能性にも繋がってくると思う。伊勢崎市にもアドバイスをお願いしたいと思うが、団地造成の見込みはどうか。

◎中川 団地課長

伊勢崎市内で複数の予定地があると聞いている。伊勢崎市の企業誘致、都市計画などを担当する各部局、また県の都市計画部局などと連携し、進捗状況を共有しながら、積極的に取り組んでいきたい。

◆大和勲 委員

詳細は差し控えるが、ぜひとも力添えをお願いしたい。
令和4年8月に発生した工業用水道の配水管路の漏水事故の再発防止として、修繕の実施が望ましいと考えているが、今年度における点検や修繕の予定についてどのような状況か伺いたい。

◎青木 水道課長

太田市にて発生した漏水事故については、地中に埋設した管路の老朽化によるものである。管路の巡視により、少量の漏水を早期に発見し修繕を行うことで事故防止に努めたい。今回の事故を受け、同様の配水管路に係る再発防止対策費用として、令和5年度に新たに約7,000万円計上している。対策工事については、敷設した年、施工された方法等を勘案し、優先順位の高い7か所で実施する予定である。

伊勢崎市にて発生した漏水事故については、マンホール内にある空気弁用補修弁の老朽化により漏水が発生したものである。毎年計上している空気弁の取り替え費用とは別に、補強修繕費用として、新たに約1,000万円の工事費用を計上している。これらの対策により、漏水事故の抑制と工業用水の安定給水に努めていきたい。

◆大和勲 委員

事故発生時には漏水箇所の周辺の区長にも説明していただき感謝している。未然防止には困難な面もあると思うが、今後、同様な漏水事故が発生しないよう努めてほしい。

◆現在は東京電力エナジーパートナーとの長期電力受給基本契約に基づいて電力を販売しているが、令和6年度からは一般競争入札による売電になるとのことである。この点については、収益に直結する大変重要なことであると感じている。地産地消型PPA(群馬モデル)の対象である、1億kWh以外の約5億kWhの売電方法はどうか。

◎原 経営戦略課長

地産地消型PPA(群馬モデル)は、県内の「再エネ由来の電力」を必要としている県内の事業者に供給し、エネルギーの地産地消を進める新たな取組である。残りの5億kWhについては、基本的には一般競争入札で売電予定である。

◆大和勲 委員

本件について企業管理者から何かコメントがあればお願いしたい。

◎中島 企業管理者

5億kWhを1小売電気事業者に一括売電するには規模が大きいと考えている。いくつかに分割したりするなどの工夫により、小売電気事業者が買いやすい形にして売り出すことを検討したい。

 

10月2日(月)

◆大和勲 委員

伊勢崎南部国領産業団地について進捗状況はどうか。

◎中川 団地課長

伊勢崎南部国領産業団地については、平成28年に新規産業団地造成候補地に選定されて以来、伊勢崎市とともに連携しながら、法定手続きや各種調整を行ってきたところである。令和5年8月に市街化区域へ編入となり、知事同意を得て事業化となった。現在は設計業務並行して用地買収を進めており、今年度中の造成工事発注を目指している。引き続き伊勢崎市と連携し事業を進めていきたい。

◆大和勲 委員

かねてより工業用水道の契約水量を増やすべきであると指摘しているところであるが、当産業団地においては、工業用水の利用は可能となっているのか。

◎中川 団地課長

工業用水は南部国領産業団地に隣接する複数ある伊勢崎南部工業団地内を貫いて布設されている。当産業団地についても工業用水を利用しやすい状況を整えており、企業の需要次第ではあるが、水道課と連携しながら対応を進めたい。

◆大和勲 委員

具体的な場所は申し上げないが、伊勢崎市の南部地域で産業団地開発へ向けた調整を進めている場所がある。県の支援をいただきたいと思っているがどうか。

◎中川 団地課長

先行している都市計画手続きの進捗を踏まえて検討していきたい。

◆大和勲 委員

地元からの話では、調整を進めている場所では地権者の99%が産業団地開発へ同意しているとのことである。このような地元の意向も汲んでいただき、産業団地開発に向けて取り組んでほしい。

 

12月6日(水)

◆大和勲 委員

水力発電の電力売却に係る一般競争入札について、入札参加希望事業者からの問合せの状況はどうか。

◎森村 発電課長

現時点では問合せはない。問合せがあれば適切に対応していきたい。

◆大和勲 委員

本件についてはすばらしい取組であるが、内容が専門的であることから、県民からすると理解しづらい部分がある。県民に分かりやすく、また企業局の努力が伝わるよう検討してほしいがどうか。

◎森村 発電課長

入札に関してはホームページやぐんま電子入札共同システムで公募しているが、こうした場所に一般県民が情報を見に行くことは少ないと感じている。電気事業について広く県民に周知するために、八ッ場発電所において、発電の仕組みを分かりやすくイメージした、プロジェクションマッピングを公開しており、こうした取組を通じて、電気事業についての理解を深めてほしいと考えている。

◆大和勲 委員

群馬県企業局は電力供給量が公営企業の中で全国1位であり、すばらしい取組を行っていることを県民は知らないと思うため、こうした点を今後アピールしてもらいたい。

3月1日(令和5年度関係)

付託議案

◆大和勲 委員 
 第83号議案の電気事業会計補正予算については、発電課長から供給電力量が減少したことや四万発電所のリニューアル事業で13億4,900万円余を減額すること、既設発電所の設備改良事業で14億3,500万円余を減額することの説明があったが、金額が高額となるため具体的な説明をお願いしたい。

◎森村 発電課長 
 まず電気料金収入の減額理由についてであるが、11月までの雨量が平年比約82%となっていることから、目標電力量に対する累計の供給率も約86%となり、供給電力量が目標電力量を下回る見込みであることから、減額補正を行うものである。
 続いて四万発電所のリニューアル事業については、オーストリアで製作している水車発電機がコロナによる人材不足で工場製作が遅れたことや、世界情勢の影響から運搬船の航路変更による輸送の遅れから納期の遅れが生じており、出来高が上がらなかったためである。
 既設発電所の設備改良事業については、関根発電所の復旧を優先するために、他の発電所の工事を一度止めたことによるものである。

◆大和勲 委員 
 仮に雨量が平年比100%以上あれば、電気料金収入はプラスの方向に働くのか。

◎森村 発電課長 
 雨量が多い場合には発電電力量も増加することから電気料金収入も増加する。増加した場合には増額補正で対応することになる。

◆大和勲 委員 
 第107号議案「損害賠償の額を定めることについて」については、今回の事案をもって、漏水事故による損害賠償額が全て決定するとのことだが、全体の件数及び金額についてはどうか。

◎青木 水道課長 
 事故は太田市と伊勢崎市で発生したものであるが、被害件数は5件であり、全体の損害賠償額は約609万円である。

◆大和勲 委員 
 今後同様の事故が起きた場合の地元への対応についてはどうか。

◎青木 水道課長 
 今回の事案を受けて、速やかに被害者への対応、現場の復旧にあたるとともに、地元及び近隣の区長等へも事故の状況等の説明を行いたい。

◆大和勲 委員 
 今回の事案では地元も大変驚いていた。住民から区長に対する問合せも多かったと思うため、対応をお願いしたい。

所管事項

◆大和勲 委員 
 水力発電所の電力売却に係る一般競争入札の結果について、従前の売電契約と比較して評価はどうか。

◎森村 発電課長 
 売電契約単価については、現在の契約と比べて高い単価となっており、そうした点については評価している。

◆大和勲 委員 
 「ほたかのめぐみ かわば発電所」と名称が決定した件については、小・中学生に発電所の名前を募集し、大変すばらしい取組だったと感じている。名称を考えることで子ども達が企業局の事業に興味を持つ良い機会になったと思っている。全ての事業で取り入れられるものではないと思うが、こうした発想を今後ともお願いしたい。また、今回の取組とは別に、ネーミングライツのような取組もあるかと思うので検討してほしい。

3月8日(令和6年度関係)
付託議案

◆大和勲 委員 
 売電契約の見直しにより、前年度と比較してどの程度の増収になるのか伺いたい。

◎森村 発電課長 
 目標電力量を揃え、単純に売電単価のみで比較した場合、約25億円の増収となる見込みである。

◆大和勲 委員 
 ネーミングライツについて、地産地消型PPA(群馬モデル)の供給先事業者募集と併せて実施したのか、個別にネーミングライツスポンサーを募集したのか。

◎原 経営戦略課長 
 ネーミングライツスポンサーの募集は、地産地消型PPAの供給先事業者の募集とは別に実施している。具体的には、供給先事業者選定後、事業者のヒアリングの中で、発電所のネーミングライツ取得に関心を示した事業者が複数いたことから、PPAで電力供給を予定している発電所のネーミングライツスポンサーについて、供給先事業者を対象に募集したものである。

◆大和勲 委員 
 ネーミングライツ料はどの程度か伺いたい。

◎原 経営戦略課長 
 下久保発電所のスポンサーは群成舎で年額11万円。奈良俣発電所のスポンサーはGNホールディングスグループで年額22万円である。

◆大和勲 委員 
 ネーミングライツについて、他の発電所での実施は検討しているか。

◎原 経営戦略課長 
 令和7年度の売電方針は決定していないが、地産地消型PPAを継続する場合は、同様に供給先事業者に対し、電力供給予定発電所のネーミングライツスポンサーの募集を検討する。

◎中島 企業管理者 
 今回のネーミングライツについては、一般的なネーミングライツとは意味合いが異なり、収益確保という面よりも地産地消をより身近に感じてもらうためのものである。そのため、令和7年度も広く一般に公募するのではなく、地産地消型PPAの供給先事業者を対象に募集するという方向で考えたいと思っている。

◆大和勲 委員 
 大学等の再エネ・脱炭素化に係る研究開発等への助成について、支援事業の具体的なイメージはどのようなものか伺いたい。

◎原 経営戦略課長 
 支援事業については、分野を限定せず、広く公募を行い審査のうえ決定したいと考えている。例えば水素やバイオマスなどのエネルギー分野の技術開発や新しい技術を社会に適応させるための実証事業など、先進的な取組を支援をしていきたい。また、新たな発電システムのような取組があるとすれば、そうした取組も対象になると考えている。

◎中島 企業管理者 
 再生可能エネルギー導入促進等積立金については、「電源群馬水力プラン」の利益を地域に還元したいというのが出発点である。想定している案件はあるものの、相手がある話であり、まだ活用するタイミングになっていない。こうしたこともあり、今回、新しい技術の発見・開発のための投資を行いたいと考え、公募を行うこととした。個人的には水素やバイオマスなどある程度確立された技術だけではなく、例えば宇宙送電など、飛び抜けた発想にも使うことができる自由度の高いものにしていきたいと考えている。