研修視察:浜松市・貝塚市・明石市

【研修視察の意見・感想】
視察先:浜松市・貝塚市・明石市
日時:平成24年7月24日(火)~7月26日(木)
委員会名:総務委員会

浜松市では、市税滞納削減アクション・プランについて学んできました。
個人的にも、市税徴収については、昨年12月の一般質問でも取り上げた通り大変関心のある事項です。事
前資料に基づき視察前に市民税課・納税課に現状の本市の市税収納の状況も教えて頂き、今回の視察に臨み
ました。このアクション・プランは、第1弾平成19年~21年度、それを踏まえた第2弾平成22年~2
4年度となっています。以下に、浜松市の取組内容についてのポイントを記載します。
・新アクション・プランの目標
 1)24年度末までに現年分収納率を98.5%へ
 2)24年度末までに累積滞納額を70億円未満に削減
上記を達成するための具体的な対策
 1)-①個人市民税普通徴収分収納率の向上・・・収納率の低い傾向にある階層をマーク。
滞納者の早期呼び出しと法的処分を実施。
 1)-②民間委託業務の業績向上(更なる活用)
 1)-③外国人対策の推進・・・浜松市は人口約80万人で26000人の外国人がおり、現年収納率は平
成23年度決算見込みで、59.7%(本市は24年度第1期で25%位、かい離があるので本市執行側から浜松市
へ数字の算出式を確認予定)。事前通告質問にて最も効果のあった外国人対策を伺ったところ、回答では外
国語が堪能であるか、外国語の習得に熱意のある正規職員を外国人の納税担当にすることとあった。
 1)-④特別徴収事業所の拡大・・・第1段では、市長の事業所訪問・市入札資格参加の義務付けの取り組
み(本市においては12月一般質問にて取り上げ、24年4月から入札資格審査格付主観点数の変更。新たに「
市県民税の特別徴収」実施の有無について主観点数10点加算する項目を設置→新たに15事業所が切り替えを
実施した模様)。第2段として、23年度から従業員10人以上の事業所を強制指定。24年度の計画として静岡
県下一斉で3人以上の強制指定を他市町と連携して強化(県内一斉なので隣市とのバランスが取れるとのこ
と)。
 1)-⑤口座振替の推進・・・第1段緊急雇用創出事業を活用した電話勧奨を実施(2165人増加)。第2段
金融機関に口座振替手数料(1件525円)を支払い振替利用者の促進(22年6月から24年6月まで7299件の
実績)
 2)-①差押えを中心とした滞納整理の徹底・・・「捜索」に積極的に取組む
 2)-②滞納繰越分徴収額の確保・・・19年債権回収対策課設置(3名体制から5名増員)。滞納整理
実績のあるOBを「債権回収調整監」として任用。
 2)-③回収不能債権整理の推進
また、職員のモチベーション対策として、21年度末までに18名を表彰。以上が、取り組みとして大変参
考になりました。今後は、執行部と連携して(視察情報提供・本会議一般質問・総務委員会所管事務調査な
ど)市税収納の確保に取り組みたいと思います。


【貝塚市副委員長としてお礼挨拶】     【貝塚市にて資料確認】

貝塚市では、「貝塚市の環境整備と活性化をめざし、住みよいま
ちを作るための条例」通称 空き家・空き地等適正管理に関する
条例について研修しました。この条例は、議員提案条例(会派提
案)であるところも参考になりました。人口減・少子化の傾向の
中で、今後空き地・空き家が増えることが予測される中、総務委
員会で情報の共有化が出来たのは、大変良かったと思う。この条
例は、過料(軽い行政罰)・行政代執行が定められている点でも
効果のあるものだと感じた。条例制定に向けた取り組みとしては
①先進自治体の視察。②一般質問を通じた執行側の対応把握。③
条文原案を弁護士・関係団体・議会事務局庶務課と調整④市長へ
説明・協力依頼⑤会派代表者へ説明・協力依頼⑥総務常任委員会
審議可決⑦本会議可決という過程を経たようです。要した期間は
23年8月の視察から24年の3月本会議可決まで8カ月であっ
たことも参考になった。また、執行側の窓口(コーディネイター
役)を決めて取り組んだことや空き家や空き地の判断をするためのポイント制の導入検討・空き家解体助成
金制度の導入を今後検討していることも参考となった。事前に読んであった記事にも記載されており、研修
の場でも話があったが、空き家の根本原因として①解体し更地になると固定資産が約6倍になる。②相続人
の確定が複雑であるケースが存在しているなど1自治体で対策するには解決できないことも再確認できた。

 


【明石市にて研修の様子】     【明石市役所玄関にて総務委員会集合写真】

 

 

明石市では、職員採用制度(事前の公務員筆記試験対策不要)を
中心に人事制度について研修してきました。従来の採用試験を見
直しした経緯は、受験数の減少・チャレンジ精神やバイタリテイ
に欠ける傾向・採用1~2年のメンタル疾患者が出ているなど課
題の克服のためとのこと。見直しのポイントは、筆記試験の配点
から人物配点にウェートを置いた点と筆記試験対策が不要な試験
にしたことが挙げられる。また、24年度から事前に職員採用説
明会を実施しミスマッチの防止と広報の強化に取り組んでいる。
取り組みを始めた平成19年から受験者数は確実に増加しており
成果が出ていることが確認できた。また、採用面に限らず任用・
配置システムと人事評価システムも連動した人事制度改革を実施
している。これは、思うに良い人材を採用できたら全て良しとい
うことでなく、人材育成(育成型ジョブローテーション・複線型
キャリア制度・ポストチャレンジ制度・人事給与制度の見直し等
)と能力や実績を評価する体制が連動していくことの大切さを物
語っていると感じた。いかに優秀な人材を採用し、教育し、評価 することの重要さを改めて認識できた。
 今回で常任委員会の視察は3回目になるが、先進事例を学ぶことが多かったが、浜松市の市税徴収につい
ては、どこの市町村でも取り扱く事例であり本市と比較もできるので大変参考となった。視察で学んだ点
を、本市でも生かせるよう取り組んでいきたい(24年7月31日、納税課と浜松市の取り組みについて情
報交換済み)。