脱炭素社会・新エネルギーに関する特別委員会 令和3年10月7日(木)
○大和副委員長
今、各委員の皆さんから群馬県の高い目標を達成するために再エネを普及することが重要だという話がありました。特に太陽光発電だということでありまして、産業用の太陽光発電の話もあったかと思います。屋根置き等々の話もあったと思います。
そういった意味では土地がもう少なくなっているという数字も出ておりますし、また、それを克服するために山林等々を切り崩している場合もありますけれども、これは落石や崩落などの心配もあるし、自然環境の破壊を心配する声もある。
そういった中で、国の方では、地球温暖化対策推進法の改正により、再生可能エネルギー発電設備導入の適地を市町村が選定する「促進区域」という部分が今後できるというふうに聞いておりますし、またその促進区域で、民間業者等が実施する場合に、「地域脱炭素化促進事業」を認定できると。また、認定してもらえると環境アセス等の緩和策があるというような制度になっていると思いますけれども、これについて県はどのように対応しようとしているか伺います。
●木島気候変動対策課長
議員ご指摘のとおり、地球温暖化対策の推進に関する法律、いわゆる温対法がこの5月に改正になりました。ご指摘の「促進区域」、市町村が再生可能エネルギーの促進的に進める地域を選定することができることや、民間事業者が「地域脱炭素化促進事業」という形で進めることができ、それを市町村が事業計画を認定した場合には、許認可等の手続きのワンストップ化とか、環境アセスの簡略化などの特例を受けられるという制度ができました。
ただ、国は、制定はしましたが、施行はまだであり、現在制度の詳細について検討しているところであり、準備をしているところであります。
また、実行計画の中で促進区域を定めるということになっておりますが、その実行計画を定めるための策定マニュアル等の検討も今国で行われているところでございます。
あわせて、地域脱炭素化促進事業の認定基準や手続きについても、これから国が定めていく形になり、年内を目途にマニュアル化していきたいというような声を聞いているところでございます。
県としましては、国のこうした動きを注視して、情報共有、情報収集に努めたいというふうに考えております。
また、市町村に対しては、市町村が実行計画の中で、促進区域を定めたり、事業の認定をしたりするという制度を作らなければならないので、実行計画の策定そのものや、その実行計画が、円滑かつ確実に実施できるよう、必要な情報提供、助言、ノウハウの援助とかさせていただきたいと考えています。
県全体として、脱炭素化の促進に取り組んでいけるように努めてまいります。
○大和副委員長
いろいろまだ不明確の部分があるかと思いますけれども、今、課長から答弁があったように、いずれにしましても県だけではどうにしょうもない部分もありますので、しっかりと市町村、また民間業者等と協力していただいて、この制度が活用できるように、期待しているとこであります。
太陽光発電の用地確保という意味では、いろんな発想があるかと思いますけども、一つは荒廃農地、つまり農地としてではなくて、荒廃農地を活用した再生可能エネルギーの導入のための、制度見直し等についてどのような状況になっているか答弁をお願いします。
●小泉研究調整主監
農山漁村再生可能エネルギー法が改正され、市町村が基本計画に位置付けた場合の農地の活用が緩和されました。
具体的には、市町村が定める基本計画の中で、再生可能エネルギー設備設置区域を設定し、かつ、今後も耕作が見込まれない荒廃農地について、太陽光発電設備の設置基準が緩和されたものであります。
令和元年度における太陽光発電を目的とし農地転用許可は992件、128.2haであった。そのうち営農型太陽光発電を目的とした一時転用許可は86件ということで、許可件数は増加傾向にあります。
○大和副委員長
いずれにしても、この再生可能エネルギーを増やしていくのは環境森林部が中心になると思いますけれども、いろいろな部門と連携しながらやっていかなければならないということは間違いないところだと思っておりますので、特に荒廃農地という部分につきましては、いろいろな考え方もあって、農政部サイドはそれを再生できるという、そういう部分もあると思いますけれども、やはりどうしても難しいという部分につきましては、今、県を挙げて取り組んでいる、再生可能エネルギーということもありますので、ぜひ連動していただければありがたいと思います。
それと農政サイドは、どうしても農業を守るということで、それも最もだと思いますけれど、再生エネルギーによって収益を確保することは、農業だけの一本足だけでなく二本足という形も考えられると思いますので、経営の安定、農業の持続性という観点からも、ぜひ今後ご検討というか、進めていただければありがたいと思っています。
また、伊勢崎市内の太陽光を一生懸命やっている社長さんとお話しましたら、農家の方も非常に興味はあるけれども、なかなか相談する窓口がないというような話も聞きましたので、農家の経営の安定という意味では一つの選択肢だと思いますので、この再生可能エネルギーを促進する普及員、専属では置けないとは思いますけれども、多少そういったアドバイスができるような方を、入れてもらっていいのかなと思っておりますので、ぜひご検討いただければありがたいと思っております。
2番目ですけれども、今申し上げましたとおり、県におきましても、いろいろな組織が連動してこの高い目標を、成し遂げていかなければならない状況だと思います。
先般、笹川前環境副大臣に講演会もしていただきました。その時の資料の中に、こういうものが入っていたかなというふうに思っております。
簡単に口頭で申し上げますと、国では気候変動対応推進会議を設置して、各省庁が連携して対応策を検討しているということであります。国はそういう会議があって対応しているということでありまして、県においても全庁的な会議が必要かと思いますけれども、いかように考えているかご答弁いただければと思います。
●木島気候変動対策課長
気候変動への適応という部分でございますけれども、気候変動による影響は様々な分野におよんでまいります。
その影響に対する対応策と適応策という意味でも、分野ごとに、また分野横断的に検討して実施する必要があると考えております。
県では現在、関係部局が連携協力して対策を総合的に推進するため、庁内の関係各課室からなる、群馬県気候変動影響評価適応策検討会というものを設置して、平成28年から、情報共有や意見交換、適応策の検討について行ってきております。
今年度は、気候変動適応などに関する情報の共有、それに適応策の進捗状況に関する情報収集を目的に、庁内のワーキングを開催する予定でおります。
議員ご指摘の、全庁を挙げた気候変動適応の取組がどうかという部分でございますけれども、群馬県の地球温暖化対策実行計画の中で、全庁が総合的に連携協力して適応策を推進する機関ということで、各部局長が構成員となります群馬県気候変動影響評価・適応策推進会議というものの準備を進めているところでございます。組織させていただいて、気候変動適応計画の推進体制を整備していくという予定で今進めているというところでございます。
○大和副委員長
今、推進会議の準備中だということであります。何度も申し上げますとおり、環境森林部を中心として、もちろん主管としてはあるのでしょうけど、やはり各部署、各機関が連携しないとこの高い目標は達成できないと思いますので、ぜひ縦割りということではなく、横串をさしていただいて、ぜひこの高い目標を達成できるように、よろしくお願いしたいと思います。
最後関連して、部長にお伺いさせてもらいたいと思います。この委員会は、まさしく高い目標を達成するために、設置された委員会だというふうに思っておりますけれども、前回の委員会、また今回の委員会も、基本的には環境森林部、特に木島課長の答弁が多いという形になっていると思います。
もちろん、主管がそこにあるので、これも致し方ない部分があるかと思いますけど、私としては、先ほど申し上げましたとおり、農政部、また産経部、企業局が入っていますので、関係する資料が、なかなか出てこないということが1回目、2回目の委員会だったかなというふうに個人的には思っております。
皆さん、いろいろな環境があってお忙しいかと思いますけど、ぜひ部長の方から、働きかけをしてもらいたいと思いますが、部長のご答弁いただければありがたいと思います。
●岩瀬環境森林部長
大和委員から非常にありがたいご意見をいただきました。脱炭素化に向けた取組は環境森林部だけでできることではありません。実際に企業局とは、意見交換をしたり助言をいただいたりしております。
また、産経部につきましても、特に今回の条例は、事業者に対する、影響といいますか、事業者に対応していただく部分が非常に大きいので、産経部とも連携して、群馬県の企業の成長のためにという視点で、連携をさせていただいております。
次回以降でありますけれども、環境森林部だけではなくて、各部局が取り組んでいる、脱炭素化や気候変動適応などの取組を報告できるように、各部局にまた要請をさせていただきたいと思います。
○大和副委員長
ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。