日経グローカルセミナー『議員提案政策条例の動向とポイント』
日経グローカルセミナー『議員提案政策条例の動向とポイント』
講師 財団法人地域開発研究所研究部 牧瀬 稔氏
日時 24年1月23日(月)
【概要】 |
*議会(議員)の役割は、①執行機関の監視機能 ②政策の立案機能である。しかしながら、②について |
は、まだまだ市議会では条例の1%台と低調である。 |
*条例は地方自治体が国の法令の範囲内において、制定する自主法規である。法令に反して条例を制定し |
た場合は、無効となる。したがって、上書き条例・横出し条例という手法がある。上書き(上乗せ)条例は |
国の法令と同一目的でかつ規制方法も同一であるが、法令の基準よりも厳しい基準や規制を定めた条例。横 |
出し条例は、国が定めた規制項目以外の項目を追加した条例である。 |
【条例づくりの基本的流れ】 |
①問題発見 |
複眼的思考・通説に疑いの視点・数字の持つ意味(背景)で |
捉える |
②現地調査と情報収集 |
現地調査・関連する資料や情報を広く収集・先進自治体の取組 |
状況も調査 |
③立法目的の確定 |
5W4Hを用いて「何のためのにある条例か」、そして「どのよ |
うな政策を実現するか」など検討 |
④立法事実の明確化 |
提案する政策条例の合理性や必要性などを決定づける要素を明ら |
かにする |
⑤類似条例の調査 |
1)アンケート調査 2)ヒアリング調査 |
⑥類似条例の類型化 |
類似条例を『表』の形で整理する。→既存類似条例の「いいとこ |
どり手法」 |
⑦要綱の作成 |
基本となる大切な事柄を簡潔に記述 |
⑧条例案の作成 |
上記の要綱にもとづいて、条例の形式を整え、正確・明確・平易 |
な表現に留意条例案が作成され、その後 議会に上程される |
⑨逐条解説(条例案説明書)の作成 |
逐条条例とは、条文ごとに順を追って要点や意味などを分かりや |
すく説明したもの |
⑩報告書の作成 |
提案する政策条例の必要性を訴える報告書(提言書・答申書)の |
存在は、大きな説得材料となる |
【研修の様子】 【条例の類型化の「表」】
【感想】 |
今回の研修は概ね100分で資料80ページの説明であったが、時間が瞬く間にすぎていくような有意義 |
な研修であった。研修の最後に、「政策条例の提案は、地方分権を生き抜く最大の攻撃」とコメントがあっ |
た。地方地方にあった政策条例は、必ず住民の方の最大多数の最大幸福が達成できるとの信念を持つことが |
大切であること学んだ。今後は、責任会派の一員として、会派の議員の皆さんと共に研修など行って研究し |
たいと思います(具体的には、牧瀬先生を招待しての研修を実施)。 |