令和4年 定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)

令和4年第2回定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)6月8日

◆大和勲 委員
OECDの社会情動的スキルに関する資料中「変化の激しい時代の中、学力ではない、別の能力、潜在力をどう評価し伸ばしていくか」という記載があるが、「変化の激しい時代の中、学力はもちろん学力でははかれない別の可能性、潜在力をどう評価し、伸ばしていくか」という理解でよいのか。

◎古仙 戦略企画課長
当然のことながら学力も重要だという認識である。
OECDの方から聞いた話では、学力が伸びても社会情動的スキルは必ずしも伸びるわけではないが、逆に社会情動的スキルが伸びていくと、学力も上昇傾向になるとのことである。さらに、社会情動的スキルを身につけた子ども達は、大人になっても高齢者になっても学習意欲が衰えない傾向があるそうである。
当然学力も重視していくわけであるが、それ以外の部分を重視していくという資料である。ただ、今後の資料作成等についてはしっかりと留意していきたい。

 

◆大和勲 委員
高校での日本語指導について、特別の教育課程編成実施の制度を導入し、生徒の日本語能力に応じた個別の指導を行うことが、来年度から可能になると聞いているが、本県ではどのような状況になっているのか伺いたい。

◎天野 高校教育課長
今年3月に文部科学省が公表した、令和3年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果では、本県の公立高校全体で日本語指導が必要な生徒は82人おり、その6割近くが、県立太田フレックス高校に在籍していた。
太田フレックス高校では、これまでも生徒の実態に応じた様々な支援を行ってきている。例えば、NPO法人の協力をえて、毎週放課後に学習クラブを開催し、母国語による教育相談や個別の学習支援を行っている。また授業では、例えば国語科で、中学校程度の文章を素材にして、読む書く話すの習得を目指す「ことばと生活」という科目を設けたり、地歴科で日本の自然や社会文化について学ぶ「日本理解」という科目を設けたり、外国語科で「ポルトガル語基礎」や「スペイン語基礎」などの科目を設けたりしている。
こういった学校独自に設定した科目は、それぞれの生徒が必要又は希望に応じて選択できるものなので、日本語指導が必要な生徒の支援の役目も果たしていると考えている。
その他、外国籍の生徒が多く在籍している伊勢崎工業高校の定時制では、教員が板書する時に、漢字に振り仮名を付けたり、国語や工業で英語の教員が入ってチームティーチングで一人一人を支援するという事例がある。
過日、国の法令が改正され、来年度から高校においても日本語指導が制度化されることになった。これにより生徒の日本語能力に応じた特別の教育課程を編成して、日本語の個別指導を行うことや、その個別指導について単位認定することが可能になる。現在文部科学省では、日本語指導等のカリキュラムづくりのガイドラインや日本語能力を把握するための測定ツールなどを、作成・開発していると聞いている。
高校の日本語指導の制度化によって、生徒達に今まで以上にきめ細かな支援が行えることが見込まれる。県教育委員会としては、国の動向を注視し、情報収集を積極的に行いながら、どういった日本語指導が良いのか、しっかり検討したいと考えている。

◆大和勲 委員
太田フレックス高校で外国人の日本語指導の現場を見てきて先生も大変苦慮している状況だった。NPO法人等々が支援しているなどと説明があったが、有り難いと思う。
ぜひ国の動向を注視して、しっかり勉強できる体制づくりをお願いしたい

 

 

令和4年第3回定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)10月4日

◆大和勲 委員
大阪府では学校施設整備にESCO事業を導入している。LED化や空調設備について事業の導入を探ってもらいたい。
また、補正予算計上されている県立高等学校特別教室空調設備整備の1憶2,000万円について、地方創生臨時交付金を活用すると聞いており、制約もあるようだがどのような状況になっているのか伺いたい。

◎高林 管理課長
令和3年度に配分された地方創生臨時交付金を活用した整備となり、令和5年度への繰越しができないことになっている。このため、今回25校25室に絞ったのは、年度内に完成が確実に見込まれるものを計上した。エアコンを設置して、受電施設(キュービクル)が必要になると工期がかかり、下期で完成しない恐れが出てくるので、そのようなことがないような学校を選定した。

◆大和勲 委員
新聞等で県立高校の特別教室のエアコン設置率が約40%であり、いろいろなところから要望も来ていると思うが、子どもたちのための環境整備を進めてほしい

 

◆大和勲 委員
台風の接近が予想された日に、伊勢崎市立の学校が登校時刻を遅らせたことがあった。休日を挟んだ変更だったこともあり、メールを個人の携帯等へ転送設定していない放課後児童クラブでは、変更の連絡を受け取ることのできない可能性があった。各市町村の話ではあるが、県としても休日の連絡体制がどうなっているのかなど調査等を検討してほしい。

夜間中学に関して、意見交換会の構成のメンバーについて伺いたい。

◎春田 義務教育課長
夜間中学開設準備に関する意見交換会を7月19日に第1回会議を開催し、構成員としては学識経験者、外国人支援団体、不登校支援団体、所在市教育委員会、教育長協議会代表、ぐんま暮らし・外国人活躍推進課で行った。

◆大和勲 委員
意見交換会でどのような意見が出ているのか伺いたい。

◎春田 義務教育課長
7月19日の会議では、基本方針、施設・設備等についての意見を伺った。基本方針については、外国人が社会で発揮できる能力を身につけられる教育や対面での意思疎通の重視を求める意見等が出た。施設・設備については、多文化共生を掲げているので、生徒が自由に交流できるようなフリースペースが必要ではないか等の意見が出た。
これらの意見を基に基本方針案を改めて検討し、今後、県民から広く意見を求めるためのパブリックコメントも実施していきたいと考えている。

◆大和勲 委員
令和3年度の議会で採択になった請願の中で、始業時刻について配慮するよう求められている。通常であると午後5時30分からの開始が多いと聞いているが、そうなるとフルタイムで働いている方にとっては、なかなか通うのが厳しいということである。デジタル技術を活用した通信教育等で配慮するよう求められていたが、検討状況はどうか。

◎春田 義務教育課長
働いている方が一人でも多く、学びたいと意欲を持っている方については、門戸を開きたいと考えている。その中で、議論として出ていることは、開始時刻を遅らせる方法もあると思うが、開始時刻が遅くなると終業時刻も遅くなり、交通機関の利用面や安全面等で難しさがあるので、ICT活用を含め、カリキュラムの工夫を検討している。請願内容を踏まえ基本方針を検討しているが、今後、入学希望調査等で実態を把握し、文科省にも確認しながら、詳細についてしっかり検討したい。

◆大和勲 委員
文部科学省との兼ね合いもあり、要望どおりにいかないかもしれないが、多様な生徒の立場に立って進めてほしい。
また、総合教育センターの体育研修棟を改修して使用するということであるが、限られたスペースを有効に活用して設計してほしい。

 

 

令和 4年第3回定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)12月7日

◆大和勲 委員
令和6年4月伊勢崎市に開校予定の夜間中学について、開校時間の検討はどのようになっているのか伺いたい。

◎春田 義務教育課長
授業の開始時間について、先月も先進校視察等も行いながら、他県の状況も研究し、進めている。その中で、カリキュラムの組み方を工夫して開始時間を遅らせることができないか検討している。
フルタイムで就労している方が通いやすく、また、夜間中学で勤務する職員にとっても働きやすい環境に配慮しつつ、公共交通機関の状況等も踏まえて、意見交換会等での意見ももらいながら、慎重に検討していきたい。

○大和勲 委員長
難しい課題ではあるが、検討を進めてもらいたい。
開校時間を遅らせても間に合わないというケースも考えられるので、授業のオンデマンド化について検討状況を伺いたい。

◎春田 義務教育課長
授業のオンデマンド配信については、フルタイムで就労している生徒にとっては、時間に縛られずに、受講できるというメリットがあると思う。その一方で、教員に直接質問することが難しくなったり、他の生徒との学びの共有やコミュニケーションが容易に取れない面もある。授業の開始時間と合わせて慎重に検討していきたい。

○大和勲 委員長
LMS(ラ-ニングマネジメントシステム)という個別最適な学びができると言われているシステムの導入について検討状況を伺いたい。

◎春田 義務教育課長
既に各市町村では、使用が始まっている。それらの取組を参考にしながら、夜間中学に合った活用場面と活用の仕方について、費用面も含めて、情報収集をしながら検討していきたい

◆大和勲 委員
新しい群馬発の夜間中学ということで、なるべく多くの方に支援をしていただける関係ができるようにしていった方がいいと思っている。特に外国籍の生徒も考えられるので、生活文化についても、民間も含めて積極的に携わるサポーター制度のような部分についてはどのように考えているのか伺いたい

◎春田 義務教育課長
夜間中学は、高齢者、外国の方、不登校経験者など多様な方が通うことが想定されている。個々に応じたきめ細かな対応をする必要があるので、学習支援やスクールカウンセラー等も含めて、生徒を支援する職員等についても十分検討していきたい。
また、民間との連携については、群馬ならではの特色ある学校をつくる上で重要であると考えている。この点についても、今後意見交換会等でも意見をもらいながら、検討を進めていきたい。

◆大和勲 委員
様々な課題や意見があると思うが、外国人の支援や不登校の支援をしている団体などがあるので、そういった方々の意見も反映できるようにお願いしたい。

 

 

令和5年第1回定例会文教警察常任委員会(教育委員会関係)3月3日

◆大和勲 委員
来年度予算で計上された伊勢崎地域特別支援学校再編整備の状況について進捗も含めて伺いたい。

◎高林 管理課長
用地の確保については、昨年10月14日に伊勢崎市へ農振除外の申請を行った。順調に進めば、今年9月頃には農振除外が承認され、その後、農地転用の手続きを経て用地取得となる。
建物については、今年度に基本設計を行っており、来年度は詳細な実施設計をする予定である。
現在の整備計画の概要については、老朽化や床のゆがみで不具合が生じている昭和57年棟を解体して、新たに設置する高等部の教室等が入る増築棟や生徒増に対応する体育館を建設する。その他の校舎は、長寿命化改修を行う予定である。また下校時に送迎車が混雑しているため、バスロータリーや送迎者用駐車場も整備したい。
今後、土地利用調整が順調に進む前提で、用地買収や埋蔵文化財調査なども順調に進めば令和6年度には着工し、令和8年度に完成させ、令和9年度には高等部の生徒の受入れを開始したい

◆大和勲 委員
順調に進んでいるようで大変有り難い。駐車場が狭いという要望にも配慮してもらっている。令和9年度の開校に向けてスケジュールどおりに進めてもらいたい。
伊勢崎の夜間中学校について3月17日に学校説明会があると聞いているが、内容について伺いたい。

◎春田 義務教育課長
説明は、2月に策定された設置基本方針の内容が中心で、みらい共創中学校の理念のほか、入学対象や学習内容、入学するまでの流れ等を伝える。外国籍の方や支援団体の方が理解しやすいように、やさしい日本語を使用したり、例を示したりしながら丁寧に説明したい。
なお、今回の説明会に参加できない方のために、後日、説明会の内容を県ホームページでも配信する予定である。

◆大和勲 委員
説明会の反響についてはどうか

◎春田 義務教育課長
他県では、なかなか参加者が集まらないとの話も聞いていたが、開催告知をして10日余りで、既に20名以上の方から参加申し込みがあった。入学を希望する方のほか、支援団体や企業の方からも参加申込みがあり、ある程度反響があると感じている。

◆大和勲 委員
せっかく新しく作るので、多くの方に興味を持ってもらいたい。まずは説明を聞いてもらわないと内容や考え方が分からないので、多くの方が集まることを祈念している。

 

◆大和勲 委員
コミュニティ・スクール導入率を上げるためには、市町村の協力を得ないと難しいと思うが、具体的にどのような支援をしているのか

◎春田 義務教育課長
県の教育委員会では、コミュニティ・スクールの設置に向けて、平成27年度から各市町村に対してコミュニティ・スクールの意義、目的、設置の手順等を説明したり、学校の管理職等を対象に学校・家庭・地域の連携のあり方を考えるフォーラム等を実施したりして、すでにコミュニティ・スクールを導入している市町村の事例等を紹介してきた。
さらに、地域学校協働活動を一体的に推進するため、生涯学習課とともに研修会等を実施している。具体的には、市町村の担当者等を対象にした会議や研修会の中で、成果を上げている他県事例の紹介や市町村の取組状況についての情報交換をするような場を設けたりしている。
各教育事務所でも、地域の実情に応じて、学校管理職や地域学校協働活動推進員等を対象にした、地域と学校の連携協働についての理解を深めるための研修会等を実施している。
コミュニティ・スクールの導入数は、令和3年5月1日現在の58校から、令和4年5月1日現在では152校に大きく増えている。
今後も、先進的な事例等を紹介するなど、各市町村の主体的、計画的な取組や活動が進むように、情報提供等の支援に努めていきたい。

◆大和勲 委員
市町村立のコミュニティ・スクールの導入について、「月いち委員会」で視察した高崎市新町の部活動の地域移行は、親和性があり参考になると思っている。
新町スポーツクラブの小出理事長に話をしてもらうことも有効だと思うが、教育長の考えはどうか

◎平田 教育長
コミュニティ・スクールを進めていく上で、子どもたち、学校や地域にとって具体的にどのようなメリットがあるのかを学校や市町村に情報提供していくことは有効であると考えている。「月いち委員会」で視察した新町スポーツクラブと新町中学校コミュニティ・スクールの連携・協働した取組は、好事例だと思う。
小出理事長は発表の中で、休日部活動の地域移行は、コミュニティ・スクールの仕組みを生かすことでスムーズに進むことを、新町スポーツクラブの実例をもとに示された。視察をきっかけに小出理事長と情報交換をする機会を持つようになり、コミュニティ・スクールと部活動の地域移行を進めることは、キーとなる点が共通していることで共通認識を持った。学校は、自分たちだけで抱え込まずに地域と一緒に作るという意識改革を、地域は、学校にお願いではなくて、当事者として子どもの成長に関わるという意識改革をしていく。この点が最も大切であるが、最も難しい点でもある。そのため、コミュニティ・スクールを進めることが、部活動の地域移行をスムーズに進めることのベースになったという共通認識を持った。
学校の様々な課題を解決する上で、コミュニティ・スクールが解決の鍵となることは他にもあるので、コミュニティ・スクールの推進のために、新町クラブの事例をはじめとして、好事例を市町村や学校に情報発信をしていきたいと考えている。

◆大和勲 委員
コミュニティ・スクールの導入を、働き方改革に留意しつつ進めてもらいたい。
コミュニティ・スクールの構成員の中に防災に詳しい人がいて、防災教育を進めるために活動費があると活動しやすいという話を聞いたので、後ほど教えてもらいたい。活動費がないのであれば、このような要望があったと聞きとめておいてもらいたい。